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第8話「湯けむり忍法帳!くノ一湯殿の夜に、影は忍ぶ」  



 


「やっっっっっと、修行終わったぁ~っっ!

紅が大の字で畳に転がり、蒼もつられてその隣に倒れ込む


---


「肩こりが……死ぬ……」

蒼はうつ伏せになって呻いた。


「ちょっ……重い……いや、重力が憎い……」


「重力? 背負ってるのは宿命……じゃなくて、おっぱいでしょ」

紅がクスクスと笑う。


「このサイズで走って跳んで回るって、どう考えてもくノ一仕様じゃないから! 誰だよこんな身体にしたの! 俺の背筋、明日が見えねぇ……!」


「ふふ。蒼の“わがままボディ”が、どれだけ忍者活動に支障をきたしてるか分かったでしょ?」

楓がどこか優雅に微笑みながら、蒼の肩を揉み始める。


「うわ……すっごい張ってる……筋肉ガチガチ……もしかして、おっぱい用の筋肉が……」


「やめてぇぇぇぇぇ! 胸筋とか言わないでぇぇぇ!!」


「(記録:蒼、重力との戦いに苦戦)」

ZEROは相変わらず無表情でメモしていた。



--


「それより! 今夜は温泉なのだーっ!」

紅がぐいっと蒼の腕を引っ張り立ち上がる。


「えっ、温泉……って、女湯!?」


「当然でしょ?」

「当然ですわよ?」

「当然だ」←ZERO(棒読み)


「無理無理無理無理!!」


 


◆


 


――湯殿。月明かりに照らされた広々とした岩風呂。


「なぁなぁ、ほんとに入るのこれ……女子として……」

タオル姿の蒼は、身体を隠しきれずに真っ赤。

視線が泳ぎ、気まずさMAX。


「え、何? 今さら恥じらっちゃう? 蒼って意外と初心?」

紅がわざとボディを押しつけてくる。


「ほらほら、見なさいな。ぷにゅっと♪」

楓が自慢のボインでマウント取ってくる。


「…………(じーっ)」

ZEROは無言で蒼の身体を見つめ、ひと言。


「やはり“ナイスバディすぎて任務に不適”と記録されているだけある」


「その記録、消してくれえぇぇぇぇぇぇ!!!」


 


◆


 


わいわいと騒がしくも、楽しい時間が流れていた。


……が、そのとき。


――ピチャ……。


静かに水が揺れた。


「……誰?」

ZEROがぴくりと反応し、視線を森の方へ向けた。


「今、誰かいた……?」

楓がそっとタオルを巻き直す。


「お忍びの男子か? ていうかのぞき!?」


「違う……これは気配が違う」


 


水面に、ぽつん――と黒い影が浮かび上がる。


蒼が身構え、拳を握る。


「まさか、敵……!?」


 


と、その瞬間――

水中から音もなく何かが浮かび、蒼の胸にぴったりと張り付いた!


「な、なにこれっ!? うわぁっ!?!? どこ触って――っ、やめ、あ、そこはダメ――!!」


「…………(無言で構えるZERO)」

「蒼、触手に人気ね♡」←楓

「変態忍法、また来たなーっ!!」←紅


 


◆


 


激しい湯けむりの中、未知の“影の術”を使う敵の存在が判明する。


やがてその気配はすっと消え、まるで“試すように”、蒼たちの力量を探っていたかのようだった。


 


「……確かに、これは“ただの変態”じゃなさそうね」

紅が、髪をかき上げながら呟く。


「まるで、蒼の“転生”を……知ってるみたいだったわ」

楓の言葉に、場の空気が一変する。


 


蒼は胸元を押さえ、ふとつぶやいた。


「烈火……。あいつが残した記憶が、また、騒ぎ始めてる……」


 


月が隠れ、影が広がる――


忍法帖の夜が、再び動き出す。


 







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