第55話『神喰ノ影と、記憶の楔』
承知しました!
それでは――さらなる記憶と運命が交錯する、新章へ。
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第55話『神喰ノ影と、記憶の楔』
黒装束の集団――《神喰ノ影》。
蒼が異世界で最後に相まみえた、恐るべき暗殺者たち。
だが、彼らは“滅んだはず”だった。
(まさか、あの時の戦いは……終わっていなかった……?)
空気が震える。影のように無音で迫る敵。
だが、蒼たちは迎え撃つ。
「紅! 左を頼む!」
「了解! ……蒼の背中は、私が守る!!」
「……むぅぅっ/// そ、そのセリフは私の胸が言ってるのよぉぉお!」
なぜか興奮して暴走する紅に、蒼が振り返り、
「今は落ち着けぇえええッ!」
と叫んだその瞬間――
《神喰ノ影》の一人が、姫に向けて飛びかかる!
「姫様っ――!」
蒼の鞭が唸る。鋼のような輝きを放ったその一閃は、敵の武器を砕き、体勢を崩させた。
だが――
「なッ……!? この動き……どこかで……」
蒼の記憶がフラッシュバックする。
――白銀の剣舞。
――自らを“烈火”と呼んでいたころの戦友たち。
その中に、今目の前の“敵の一人”に似た動きをする男がいた。
(まさか……)
戦いの最中、突然、蒼の意識が引き裂かれる。
「ぅぐっ……な、なに――!? 頭が……」
(蒼! 聞こえるか……!)
脳内に、もう一人の“声”が響く。
それは――烈火。かつて異世界で戦い、倒れた少年の魂の記憶。
(お前が忘れていた俺の一部。今、その封印が揺れている)
(《神喰ノ影》は、ただの暗殺集団じゃない。俺が……作った)
「なッ……」
衝撃の記憶。
烈火の過去が、焚火の死と結びつきはじめる。
(じゃあ、姫の夢って――)
その時。
リアナ姫が、恐る恐る蒼に近づく。
「ごめんなさい……あなたに見せなければならないものが、あるのです」
そう言って、懐から出したのは、薄い石板。
刻まれていたのは――蒼と紅、そして炎を纏った少女・焚火の姿。
「これは、“神の記録”。未来を写す石」
「まさか……俺が、“この戦いの運命”に組み込まれていたっていうのか……」
紅が駆け寄り、蒼の手をそっと取る。
「何があっても、私は蒼の隣にいる。たとえ、過去がどんなに辛くても――私は、あなたを愛してる」
「紅……」
蒼の胸が熱くなる。
再び手を取り合った瞬間、譲渡スキルが発動。
紅の瞳が、金色に輝いた。
「えっ……!? な、なんか胸が――って、また!?!? も、もう私、何カップよぉぉ!!」
「なんでそこ!? 今そのツッコミ!?!」
「だって蒼の“好き”が重いのよぉぉぉぉ!」
「……バカ」
照れ笑いしながら、蒼は微笑んだ。
だがその裏で。
影(ZERO)は静かに言った。
「……“神喰ノ影”、あれはまだ“前哨戦”。本命は、まだ姿を現していない」
夜の帳が落ち、
ふたりの愛が強く結ばれるほど、
忍の世界に深い闇が迫っていた――。




