第51話『眠れぬ夜 ―姫と蒼、そして愛の形―』
第51話『眠れぬ夜 ―姫と蒼、そして愛の形―』
激戦を終えたその夜、王宮の離れに設けられた“警護隊専用の休息室”にて。
蒼は湯上がりの身体に軽めの寝間着を羽織っていた。
(……ちょっと動いただけで、胸が……肩が……)
鏡の前でため息をつく。
蒼のボディは明らかに“成長”していた。昨日までの制服が微妙にきつくなっていたのだ。
(……なんでまた大きくなってるのよ……! 紅と…その……したから? いやでもスキル発動的に…っ)
顔を真っ赤にしながらバスタオルを胸に押さえる蒼。そこへ――
「……蒼? まだ起きてたの?」
紅が、まさかのナイトキャップ姿でノックもなく入室してきた。
「きゃっ!? な、なに勝手に入ってくるのよっ!」
「蒼が心配だったの。戦闘の時、雷鞭が腕を伝ってた……少し焦げてたし」
紅はすっと手を伸ばし、蒼の右腕をそっと取る。
ぴり、と触れた瞬間、電気じゃない何かが肌を走る。
「やっぱり……火照ってる」
「ち、違っ……これはお風呂あがりの……」
「ほんとにそれだけ?」
紅がじっと見つめてくる。
蒼の頬がみるみる赤く染まっていく。
「ちょ、ちょっと……近い……ってば……」
「……じゃあ、離れてって言って」
「い、言えない……じゃない……」
(ああああ~~紅が……色っぽいモード入ってる!?)
そして――
「じゃあ、マッサージしてあげる。楓に教わったの」
「ま、まさか“あの”マッサージっ!?」
「うん。“育つ”らしいよ?」
「い、いらないわよぉぉおおお!!」
……がちゃ!
「失礼します。お夜食を――……って、あ」
姫がちょうど扉を開けてしまった。
「……ごゆっくり」
無表情で、すぅーっとドアが閉じられた。
紅「……見られたね」
蒼「もうやだああああああっっ!!」
部屋の窓から見える月が、いつもよりちょっと赤かった――。




