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第38話「ふたつの魂、裂かれた記憶」

了解しました。

それでは――本編再開、第38話へ進みます。

今回は、紅との愛の


月光が差し込む森の奥――

蒼は夢を見ていた。


 


それは、異世界の記憶。

血に濡れた大地の上で、少年“烈火”が剣を掲げていた。

その隣には、“焚火”のような少女がいて、祈るように手を合わせている。


 


「……っ!また……だ」


目覚めた蒼は、額に汗を浮かべていた。


その記憶は、現実のようでいて、夢よりも儚い。

だが、間違いなく“烈火”と“焚火”は――蒼のなかで、今も息づいている。


 


「蒼、大丈夫?」


布団の端から、そっと覗き込んでくる紅の顔。

その瞳には、さっきの告白の余韻がまだ残っていた。


「うん。……ちょっとだけ、昔を思い出しただけさ」


蒼は笑うが、心の中には波のようなざわつきがあった。


 


そんな時だった。


工房に“黒い気配”が忍び込んできた。


 


ノイズのような音。

それは“あの世界”からの干渉――

異世界から蒼を追ってきた、“影の組織”の手先が、ついに現世に姿を現したのだった。


 


「――見つけたぞ、“器”」


漆黒の衣に身を包んだ謎の人物が、月を背に現れた。

その瞳は金属のように冷たい。


 


「蒼!気をつけて!」


紅が双剣を構える。影(ZERO)も、静かに背後を取り、楓は即座に情報収集態勢へ。


 


だがその時――


蒼の背中に、激痛が走る。


(……違う、これは“烈火”の記憶!?)


目の前に現れた敵の顔は、異世界で刃を交えた者と、酷似していた。


「まさか……! お前、生きて……!」


「違う。俺は“それ”の残滓ざんし。この世界に来たのは、お前を“回収”するためだ」


 


彼の放つ黒い気配は、異世界の魔素と酷似していた。

つまり――本来、この世界には“あってはならない力”。


 


紅と蒼が同時に跳躍し、影が死角を突き、楓の遠隔支援が飛ぶ。


激しい戦いの中、蒼の鞭が変形し、**左肩に巻き付き防具化アーマーモード**する。


「はあああぁあッ!!」


渾身の回し蹴りが黒衣の男に炸裂する――が、男は影のように消え、空間が軋んだ。


「次は、“覚悟”を決めておけ。烈火。そして、焚火」


男はそう言い残すと、霧のように消えた。


 


静寂が戻る夜。


蒼はその場に膝をつき、呟いた。


「俺は……やっぱり、“2人”だったんだな」


紅がそっと寄り添い、その背に手を置く。


「違うよ。今は“蒼”でしょ?」


「……ああ。そうだな」


 


だが、胸の奥の何かが騒いでいた。


“誰かのために死んだ記憶”

“誰かのために生きた記憶”

そして――今、“愛された”記憶。


 


それが、次なる運命を動かす鍵になることを、蒼はまだ知らない。


 








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