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第37.5話「未来を誓う」
戦いが終わり、月が静かに輝いていた。
森に沈黙が戻る頃、蒼と紅は小さな焚火の前に並んで座っていた。
蒼の表情には、どこか覚悟が滲んでいた。
「……紅、ちょっといいか?」
「なによ、改まって。あたしの胸が気になってしょうがないって言うんじゃないでしょうね?」
「ち、違うわ!そっちじゃなくて……いや、違わないけど……ああもう!」
蒼は顔を真っ赤にしながら、勢いよく言葉を吐き出した。
「お前が好きだ!」
紅の目が、ぱちくりと見開かれる。
「……は?」
「何度も何度も、思ってた。お前に助けられて、何度も支えられて。
気づいたら、お前のことばかり見てたんだよ」
風が木々を揺らす。静寂の中、蒼の言葉がまっすぐに響いた。
「俺がどんな姿でも、性別がなんだって、お前が誰を好きだって、関係ない。
――現世でも、来世でも、その次の世でも……」
蒼は紅の手を取る。
「俺は、絶対にお前を見つけるから。だから……待っててくれ。」
紅は言葉を失い、ただ蒼の手を握り返した。
「……ばか。そんなの……ずるいでしょ」
でも――その瞳には、涙が溢れていた。
「うん……来世でも、見つけなさいよ。必ずよ、絶対に。」
2人の間に、何も言葉は要らなかった。
ただ手を握り、心が結びついたその夜。
運命の歯車が、再び静かに回り始めた。




