表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/145

第31話「揺れる想いと、姫の告白」


 


護衛任務のため訪れていた他国・セレーネ王国の宿舎。

戦闘後の一息もつかの間、ジリジリと蒼の周囲の空気が変わっていた。


「……なぜ、私の部屋にお呼びしたのですか?」


紅が半眼で睨みつけている。

蒼は、慌てて両手を上げた。


「違うっ!違うって!これは姫さまがっ……!」


 


そう、すべての始まりは――

「お話があります」と言って蒼を呼び出した、セレーネの第一王女・クラウディア姫の一言だった。


 


◆◇◆


 


「……あなた、私の命の恩人ですね」


夜。姫の私室で、クラウディアは真っ直ぐに蒼を見つめていた。


「命を救われたのに、何もお礼ができないなんて、王族の名折れです」


「いや、任務だし? そんな大層なことじゃ……」


「……では」


クラウディアが、突然、蒼の手を取った。


「私の“心”を、受け取っていただけますか?」


 


「………………えっ」


ピタリと時間が止まる。


 


「……まって、まって!どういう意味それ!?」


「恋です、蒼様。あなたに恋をしました。性別など、関係ありません」


「いやいやいやいや!あるでしょ!いろいろ!色々!!」


 


その頃、扉の陰では――


「……聞き捨てならないわね」


紅が、ピキリと額に青筋を立てていた。


 


楓(そっとメモを取りながら):

「これは……蒼さんの、モテ期到来……!」


 


影(フードの猫耳がぴくり):

「警戒。セレーネ王国、姫属性、告白爆弾搭載型……要注意」


 


◆◇◆


 


結局その夜、紅に部屋まで引きずられて帰ることとなった蒼。


廊下で、ぽつりと紅が呟く。


「……もしあんたが、そっちの姫さまのところに行っちゃったら、私はどうすればいいのよ」


「え……」


「何でもないっ!」


 


(紅……?)


蒼の胸が、妙にドキドキした。


 


でも、その奥底で――


(“烈火”としての記憶……あの剣士だった日々が、少しずつ、戻ってきてる……?)


 


過去と現在が交差しはじめる中で、

蒼の“心”もまた、揺れ動き始めていた。


 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ