第5話「闇より来たる者――蒼、再覚醒と“鞭の暴走”!」
夜――。
蒼たちは任務先の温泉町「朧の湯」に潜入し、女湯で(主に蒼の羞恥心を爆発させながら)騒動を巻き起こしたのも束の間。
温泉宿の裏手に、ひっそりと異様な気配が漂っていた。
「……来たか」
影(ZERO)が月下の路地裏で立ち止まる。
闇の中から、現れたのは黒ずくめの忍装束に身を包んだ謎の一団。
その瞳は赤く光り、明らかに“常人”ではない。
「転生者の“器”……その力、我らが“主”のために捧げよ」
「“器”って……俺のことかよ……!」
蒼が身構える。腰に巻いた鞭が、感情の高ぶりに反応して震える。
【鞭形態:ノーマルモード】→【トゲトゲ薔薇モード】に変化!
「……お、おい! 今夜に限って、なんかヤバいモードじゃねぇか!?」
蒼の手元で、鞭の根元が赤く脈動し始める。
「やば、感情の高ぶりで勝手に変形して――って、絡まるな!? あ、あっつ!! どこ巻き付いてんだぁぁ!!」
鞭は蒼の足に絡みつき、さらに紅の太ももへと勢いよくしなる。
「わっ!? ちょっと、なによ蒼っ!?」
「ごめっ!? 操作ミスったああ!!///」
敵忍者「……なにをしている」
「こっちの台詞だわ!!!」
紅が短剣を抜き、即座に敵へ斬りかかる!
蒼も鞭を解き、敵の足元を狙って叩きつけるが――
鞭「びしっ!」
蒼「ぎゃあっ! 自分に跳ね返ったああっ!?」
「……これじゃ埒があかんっ!」
蒼は集中する。
(思い出せ、前世の戦いを……俺は、あの時――)
脳裏に、異世界での死闘の記憶がよみがえる。
灼熱の戦場。失われた仲間。全てを焼き尽くした“紅蓮の業火”。
「俺の名前は……蒼。《烈火》だったんだ……!」
鞭が再び変化する――
【新形態:炎鞭発動!】
火花を纏ったその鞭が、敵忍者の刀を絡め取り、強烈な一撃で吹き飛ばす!
「うおおおおおおっ!!」
蒼の中の“戦士”が目を覚まし、くノ一の身体に宿る力が爆発する!
影「……今の、烈火?」
楓「データ反応に異常……精神同調率が一時的に120%を超えてます」
紅「……バカだけど、やるときはやるのね」
敵は撤退するが、残された謎の符術の痕跡。
そこには“封印術”の痕跡と――異世界の気配が。
「追ってくるぞ……俺を、烈火を――異世界の存在を」
蒼は、己の運命が動き出したことを悟る。
そして、蒼の中でふたたび“彼”の声がささやいた。
> 『まだ終わってない。俺たちの戦いは……』