第4話「任務開始!? 初めての町潜入!……なぜか女湯に!?」
「任務って、マジで言ってんのか……?」
蒼は、忍び装束のまま山道を下りながら、肩を落としていた。
横では、紅・楓・影(ZERO)の三人も、それぞれ準備万端の様子。
「どうせまたトラブルよ、きっと」
紅は短剣を腰に装着しながら呟いた。
「情報によれば……この町には“謎の暗号文”を扱う売人が潜伏しているらしいですよ。温泉宿を拠点にしているようで」
楓が眼鏡をクイッと上げる。
「……温泉宿? まさか、潜入って――」
その瞬間、影がボソリとつぶやく。
「女湯」
「おい待てぇぇぇぇぇぇえ!? なんで潜入先が女湯なんだよおおおお!!」
「いや、君の今の見た目なら問題ないでしょ?」
紅が肩をすくめる。
「そ、それはそうだけど……心が男のままって忘れてんのか!!?」
蒼は顔を真っ赤にして叫んだ。
「身体は裏切らない……♥」
楓はなぜか色気のある声でそう囁く。
「……変態め」
影が即断即決。
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【町・夕方・温泉宿「朧の湯」】
女将「ようこそお越しくださいました、お嬢さん方……ふふ、珍しいですね、四人もくノ一さんなんて」
「し、失礼します……」
蒼はぎこちない声で女湯へと足を踏み入れた。
視界いっぱいに広がる湯気、湯けむり、そして――裸の女達。
(おおおおお落ち着け俺……俺は女だ……今は女なんだ……!)
(でも目のやり場がねぇぇぇええ!!///)
ふと横を見ると、すでに紅がスレンダーボディで堂々と湯船に浸かっていた。
背筋を伸ばし、実に凛々しく、だが美しい。
「蒼、ちゃんと身体洗った?」
「い、いや……その……どこから……///」
「あ、じゃあ私が洗ってあげるよ~♪」
楓が背後からニッコリと微笑む。
「待って待ってちょっと待って!!!///」
蒼は一気に体を引いたが、ぬるり――
足元が滑り、そのまま紅の背中に倒れ込む!!
「ぬわぁああっ!?///」
「……っ!? な、何してんのよ!」
紅も顔を真っ赤にしながら、蒼の胸元を押し返す――
「ちょ、そこっ……当たってる当たってる!!」
「私の台詞よバカァ!!」
ガラガラッ!!
「……音響異常。急行」
影が女湯の天井から真っ逆さまに降下。
当然、蒼と紅の上に――ドーン!!!
「いやああああああああ!!?」
「く、苦しい……胸が……///」
「……任務とは、常に命懸け」
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女湯騒動の裏で――
その頃、温泉街の奥――
一人の男が、密やかに奇妙な術符を扱っていた。
「……転生者の気配、まさかこの町に……ふふ、面白くなってきた」
謎の敵の影、女湯騒動、暴走するチートスキル。
蒼の苦難(と羞恥)の任務は、まだまだ続く!!