番外編⑬ 温泉街でドタバタ珍騒動!蒼、女湯で大ピンチ!?』
任務の合間に立ち寄ったのは、山間の静かな温泉郷。
「たまには息抜きも大切だ」と師匠に言われ、蒼たちは久々のオフを満喫することに。
紅「温泉かぁ……肩こりひどかったんだよね」
蒼「お前、ちっさ……肩こりって……あるのか?」
紅「こ、こら!言わせとけばッ!!」
楓「わたしは楽しみですぅ~。温泉まんじゅう、5個は買いますね♪」
影「……静寂に包まれる温泉街。気に入った……にゃ」
蒼「その“にゃ”やめい」
◇ ◆ ◇
日も暮れて、いざ――女湯へ!
だが蒼にとって、それは試練だった。
蒼(な、なんで女湯なんだよぉぉぉ……!身体は女だけど、心が男なんだぞ!?)
――とは言いつつも。
湯気に包まれる広い湯船。
楓はふわふわとお湯に浮かび、紅はタオルを頭にのせてリラックス、影は静かに端っこで目を閉じる。
そして、蒼。
蒼(……この光景、完全に目のやり場に困る……っ!!)
ふと視線を感じて振り返ると――紅の視線とバッチリ目が合う。
紅「……じーっ」
蒼「な、なに?見すぎじゃない?」
紅「……あんたの、ナイスバディーが、許せない……」
蒼「なんで俺が謝らなきゃいけないんだよぉぉぉ!」
その時――!
影「……物音。外から……気配が近い」
楓「もしかして――混浴に入り損ねた男子客とかじゃ……?」
紅「なにぃ!?変態か!?///」
影「まかせて。私が“制裁”を下す……」
ザバァッ!!
蒼「ま、待て待て!裸で飛び出すなー!!影ーー!!服、服ーーッ!!!」
◆ ◇ ◆
結果――
誤って迷い込んだ旅館の番頭さん(おじいちゃん)が、影の「影縫いの術」によって柱に磔にされる事態に。
影「……誤認。すまぬ」
蒼「いやもう、しっかり謝ってこい!!タオル巻いて!!」
その夜――
湯上がり、火照った顔で部屋に戻る蒼に、紅がぽつりとつぶやく。
紅「……蒼ってさ、本当に男だったの?」
蒼「……たぶん、な。もしくは今も中身は男だ。なんなら転生してから、何回も自分に問い続けてる」
紅「……でも、私は……今の蒼が、好きだよ」
唐突な一言に、蒼は思わず――
蒼「お、おまえ今、なんて……?」
紅「なーんでもないっ///!寝る!おやすみ!」
布団にもぐってしまった紅。
蒼はぽかんとしながら、その背中を見つめた。
静かになった部屋。
月明かりが障子越しにさしている。
蒼はふと胸を見下ろし、そしてそっと目を閉じる。
「……俺も、おまえが好きだよ。紅」
それは、誰にも聞こえない、本心の呟きだった。
(――この気持ちが、本当に“恋”なのかは、まだ分からないけど)
(それでも……今の俺は、確かに“蒼”として、お前の隣にいたいと思ってる)
月が優しく照らす夜――
ひとつの“本音”が、静かに心に刻まれていった。




