番外編③ 「ZEROの秘密に迫る!? フードの中の素顔」 影に包まれたクールビューティKUNOICHI《ZERO》。
番外編③
「ZEROの秘密に迫る!? フードの中の素顔」
影に包まれたクールビューティKUNOICHI《ZERO》。
今回は、誰も知らない彼女の“素顔”と、“ちょっと変わった日常”に迫ります。
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工房裏の鍛錬場にて
夜――任務を終え、蒼たちは道場裏で休憩中。
その片隅で、無言で黙々と素振りを続ける黒フードの少女がいた。
「ZERO、また一人で特訓?」
「……影は、光があるからこそ映える。故に、磨く」
「はいはい、カッコいいこと言ってるけど、汗だくで猫耳コートがしおれてるわよー」
紅が笑う横で、楓がぽつり。
「……あのフード、ずっとかぶってるけど、暑くないのかなぁ……」
蒼は気になって近寄ってみる。
「ねぇ、ZERO。ずっと思ってたんだけど、どうしてコートの中、誰にも見せないの?」
「……見たら、記憶が飛ぶから」
「それ、マジ?」
「ジョウダン。だが、希望するか?」
「えっ……いや、でも……ちょっとだけなら……」
ZEROは、静かにフードを外し、
そして――
猫耳フードの下から、サラリと黒髪が現れた。
その顔は、蒼たちが思わず息を呑むほどの美少女。
陶器のような白い肌、整った目鼻立ち、右目には包帯。だが、左目は宝石のような漆黒だった。
「な、なにこの美形……ていうか人形みたい……」
「……驚いた?」
「う、うん……こんな顔だったなんて……」
その時、ふと蒼が指を伸ばす。
「この猫耳って、ホントに聴覚強化なの?」
「……試す?」
ピク。
猫耳が微かに震えたかと思うと――
「紅、今夜おやつ隠してるの、栗羊羹」
「えっ!? なんで知って――!?」
「楓、最近ブラのサイズ変えた」
「ひゃあっ!? な、なぜバレてっ!?」
「蒼。夜中にこっそりバストマッサージしてる」
「ギャーッ!!! なんで知ってるのぉぉぉ!!?」
ZEROはくすりとも笑わず、淡々と告げる。
「この耳、色んな音を拾う。……全部、聞こえてた」
「怖すぎるんだけど!!!」
***
夜が更け、皆が眠る頃――
ZEROは一人、星空を見上げていた。
蒼がそっと近づいて声をかける。
「ねぇ、ZERO。あんたって……何者なの?」
「……影。それだけ」
「ふふ……でも、今夜はちょっと“光”だったよ」
ZEROは何も言わず、ふいに眼帯に手をかけた。
その瞬間、蒼は直感した――それは、見てはいけない“神の目”。
「……続きは、いつか。光が完全に消えるその時に」
そう言って、ZEROは再びフードを被り、闇に溶けるように去っていった。
蒼はその背中を見送りながら、思う。
「……ZEROって、やっぱり何かを隠してる。でも、どこか優しい」
そしてぽつりと、
「……あの猫耳、ちょっと欲しいかも」
そんな、静かで不思議な夜だった。




