第23話:「くノ一温泉奇譚!あつあつ湯けむり大暴走!」
了解
任務の疲れを癒すため、蒼たちは山奥の秘湯へと向かっていた。
そこは「癒しの里」と呼ばれるくノ一御用達の温泉郷――しかし、どこか不穏な空気が漂っていた。
【湯けむりのはじまり】
「うわぁ……最高……」
湯気の中、蒼は湯船にぐったり身を沈めていた。
お湯に浮かぶ、豊かな胸がぷかぷかと上下に揺れる。
「この身体ほんっと邪魔って思う時あるけど……温泉だけは、いい……」
紅は湯縁に長い手足を投げ出し、ツヤツヤの髪をかき上げながら微笑んでいる。
「蒼ってさ、本当に前世男子だったの? その割に……色気、あるわよ?」
「いやそれ、誉めてるの!? それともからかってるの!?」
楓は湯船にメガネをかけたまま静かに浸かっていたが、急にポチッとスイッチを押すと──
「夜間暗視モード、作動中です~」
「のぞき機能ついてないよね!? 楓!!?」
ZEROはというと、いつもの猫耳フードコートを湯の中でも脱がず、そのまま湯に沈んでいた。
「……蒸れる……コートの中、すでに地獄……」
「脱いで!? いい加減、脱いでよ!?」
しかし――そのとき。
温泉の底から不気味な“気配”が立ち上る。
蒼がピクッと身を起こす。
「この湯……ただの温泉じゃない!? なんか、うねってる!」
すると、湯の中からヌルリと現れる異形の影。
“湯魔”――封印されし妖魔の成れの果て。
「何このタイミング!? 裸でバトル!? いやあああああッ!!」
蒼が叫ぶが、すでに戦いは始まっていた!
***
【裸で戦う!? 温泉バトル開幕】
紅は湯の中から双剣を抜くが、濡れた刃は斬撃が鈍る。
「くっ……! 湯気で狙いが定まらない……っ!」
楓は浴衣姿のまま、ハンマーを召喚。
「蒼さーん! いまです! 打ち出の一撃ッ!!」
「いやちょっと待って!? 湯船でハンマーってヤバ――うわあああああ!?」
ZEROは静かに、コートの前をはだけ――
「……開く、神目」
金色の瞳が湯けむりを貫いた瞬間、湯魔の本体が炙り出される。
「そこかッ!!」
蒼が叫び、全身に“異世界の力”を纏う。
「前世の反射神経、そして今のわがままボディの肉体強化、くらえええええッ!」
《忍法・鞭流 刺薔薇ノ連撃!》
バシュバシュバシュッ!
跳ねる胸と、飛び散る湯しぶき、鞭の連撃が妖魔の身を打ち砕く!
──そして、勝負は決した。
***
【湯上り、そして少しずつ重なる謎】
「ふう……あっつかった~……!」
蒼はタオル一枚で脱衣所に座り、肩を回す。
「……マジでこの身体、肩凝りすごいんだけど……絶対、胸のせい……!」
紅が隣に腰を下ろす。
「でもその身体、気に入ってきたんじゃない?」
「そんなわけあるかぁぁぁあっ……いや、ちょっとは……かも?」
そこへZEROがふと、呟く。
「……蒼。夢を、見ていたわね。誰かに――呼ばれていたような」
「……!」
蒼の中に、また一つ“記憶”がよぎる。
(あれは……異世界の記憶? それとも……もっと、前?)
――烈火。
忍の里。
そして、“誰か”の声――「お前はまだ“目覚めていない”」。
(オレ、何者なんだよ……)
湯けむりの夜、くノ一たちはほんの一瞬、静けさに包まれた。
だが、それは嵐の前の静けさに過ぎない。




