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第20話:「淫術!? 禁断の任務は女体の危機!?」  



 


――数日後。

蒼たちは、師匠に呼び出されていた。いつものように、どこか妖しげな雰囲気で、着物の袖からは湯気のような香が漂っていた。


 


「今宵、おぬしらに頼みたい任務がある」


「また妙な前置きから始まったなぁ……」蒼が呟くと、師匠はにっこり微笑んだ。


「“夜伽屋敷よとぎやしき”という名の遊郭街に、不穏な気配がある。淫術使い――“妖艶の朱蓮しゅれん”という女が現れた」


「淫術……!?それって……その、やらしい……やつ?」


楓が耳まで真っ赤になりながらそわそわ。

紅は剣を構えるように拳を握る。


「遊郭ってことは……男は入れない場所、だよね」


「当然だ。ゆえに、潜入できるのは――女子のみ」


師匠は、ニヤリと唇を歪めた。


「この任務、君らくノ一部隊の出番というわけじゃ」


 



 


夜――

妖しく灯る提灯が揺れる“夜伽屋敷”。


蒼たちは、くノ一の姿を少し色っぽく“加工”された衣装に着替えさせられていた。


 


「……な、なんで、こんな服なの……!?」


蒼の姿は、肩と太ももを大胆に出した、透ける黒布の装束。

谷間も、腰も、どう考えても任務に支障が出そうなほど“過剰装備”だ。


「これは正装らしいぞ。相手に気を許させるための忍装束……らしい」


ZEROがボソリと呟くが、彼女のゴスロリ艶装束も、なぜか更に布面積が少なくなっていた。


「ぜ、絶対これ、おかしいでしょぉぉ……!///」


「蒼……その谷間の紐、ずれてるよ」

楓が嬉しそうに直そうとする。


「触らないでえええええ!!」


 



 


夜伽屋敷の中――

蒼たちは遊女になりすまし、“妖艶の朱蓮”に接触を試みていた。


すると、客の間から濃密な香が漂う。


「ようこそ……愛しい娘たち。私の“花園”へ」


現れたのは、背の高い美女。

真紅の着物に艶やかな瞳、流し目一つで場の空気を支配する。


「……あなたが、朱蓮……?」


「ええ。今宵は、どの子を“咲かせ”てみようかしら……?」


 


その瞳が、まっすぐ蒼を見つめた瞬間――

全身にぞくりと電流のような刺激が走る。


(な、なにこれ……身体が……熱い……!?)


 


淫術――それは視線と香気で相手の感覚を狂わせ、理性を奪う妖術。


紅が短剣を取り出そうとするが、指が震え動かない。


「ちょ……紅……楓……ZEROも……っ!?」


仲間たちが次々に崩れ落ちていく。

艶やかで、だが確実に“意識”を溶かすような術。


 


だが――


「……私には効かない」


そう呟いたのは、蒼だった。


 


(私の身体は、女……でも、魂の中に“男”がいる!)


(だから、感覚が“二重”なんだ――)


 


朱蓮が目を見開く。


「……あなた、何者?」


「ただの……転生チートKUNOICHIよ!!」


 


蒼は一気に駆け出した。

手にしたのは、変化し始める“鞭”。


革の鞭が、鎖へ、薔薇の茨のような棘へ――


 


「忍法――紅蓮鞭ぐれんべん・咲裂の型!」


茨が舞い、朱蓮の香気を切り裂く。


「見せてあげる……あんたの妖艶さ、上書きしてやる!!」


 



 


その夜、朱蓮の花園は崩れ去った。

彼女は気を失い、淫術の禁書は封印された。


帰り道――


「……蒼ちゃん、すごかったね……♡」


「う、うん……でも、なんで最後、私だけ服破けてたの……!?」


「それは……あれよ、任務の代償?的な」


「どんな代償ぉぉぉ!?」


 


そして――

師匠は、どこか遠くを見ながら呟く。


「やはり、“蒼の魂”は、あの時の……いや、まだ話す時ではないの」


 





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