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第19話:「忍の里にて、揺れる心と胸と」



 


忍の里。

朝の修練場では、今日も忍びたちが汗を流し、技を磨いていた。

だが――その中に混じって、ひときわ目立つ“ボディ”があった。


 


「はっ、せいっ……ぐっ!」


 


蒼が飛び跳ねるたびに、訓練着の胸元が“主張”しすぎていて、周囲の視線が釘付けだ。


 


(ちょ……おかしいでしょ! なんでこの服、支えがないの!?)


 


跳ねる、揺れる、弾む、ぶつかる。

ついでに仲間の紅や楓にもぶつかって、ドタバタと巻き込まれていく。


 


「っつ、蒼! 胸、当たってる当たってるぅ!」


「わ、わざとじゃないからっ!? 背中押されたのー!」


「どこが背中だー! 顔面に押しつぶされたわぁ!」


 


紅の悲鳴が響く。

その後ろで、零が棒読みで一言。


「……あれ、事故ではなく、兵器」


 


楓が眼鏡をピカリと光らせながら、測定値を口にする。


「うわあ、振動の周期が、昨日より3%も上がってる……!蒼ちゃんの柔軟性、進化してるよぉ……!」


「そこ進化しなくていいからーっ!」


 



 


そんな騒動の後、蒼は道場裏でひとり水を飲んでいた。

汗がにじむ肌、上気した頬。

そこに、ひとつの影が近づく。


 


「……疲れたか?」


声をかけてきたのは、別部隊の若き忍――影龍えいりゅうだ。

冷静沈着で、どこか影のある青年。


 


「あ、うん……でも、まだ大丈夫……って、うわっ」


蒼が立ち上がろうとして、足を滑らせる。


咄嗟に彼が受け止めた――柔らかい感触とともに。


 


「……すまない。変なところ、触って……」


「い、いえ、あの……こ、こっちこそ……っ///」


 


互いに赤面。

微妙にずれた手の位置が、余計に気まずい。

(というか!なんでよりによって、こんなにド直球な展開に!?)


 


その場の空気がふわりと甘くなる。


 


だが――!


「蒼ぉぉぉっ!!何ムフムフしてんのよぉぉぉっ!!」


紅が乱入、短剣を振りかざしながら蒼の首根っこを引っ張った!


 


「違うのぉ!いや、違わなくはないけど誤解なのぉー!!」


「誤解じゃなかったらぶっ飛ばすぅぅ!!」


 



 


夜、風呂場。

全員揃っての入浴タイム。


 


「……ふぅ~、やっぱお湯って最高~!」


紅がさっぱりした表情で肩まで湯船に沈む。


「蒼ちゃんの背中、流してあげるね♪」

楓がマッサージと称して、ムニムニ揉んでくる。


「ちょ、ちょっと楓っ!揉みすぎっ!そこ背中じゃなくてっ……!」


「うっかり♡」と悪戯っぽく笑う楓。


 


その横では、ZEROが無言で入浴中。

相変わらずゴスロリ姿のままだが、湯気の中でうっすら透け――


「ZERO!?服のまま入るのやめて!しかもそれ透けるってば!!」


「これは“影の衣”……濡れて透けるのも任務」


「任務違うでしょぉーっ!!」


 



 


夜空の下、軒先で涼む蒼は、ふと月を見上げる。


(……転生、魂、烈火。自分って……いったい何なんだろう)


まだわからないことばかり。

でも、今は確かに“ここ”で、生きてる。


 


そこにそっと現れる、影龍。


「おまえは、おまえのままでいい。

“何者”かなんて、あとで答えが出るさ」


 


「……うん」


風がふわりと蒼の髪を揺らした。


その隣で、紅たちが扉の隙間からこっそり覗いていることには、まだ気づいていない――。


 






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