第2話:忍者、はじめての修行!?って何で私だけ裸!?
『異世界忍法帖!俺がくノ一!?』
第2話:忍者、はじめての修行!?って何で私だけ裸!?
「ふぁぁ……朝、か……」
蒼――もとい、“蒼”は、あくびとともに身体を伸ばす。
すっかり見慣れてしまった、少女の身体。
だが、慣れたとはいえ、毎朝の悩みどころがある。
「……胸、マジで重い……」
寝起きでブラしてないと、豊満な胸が左右に揺れてバランス崩す。
かといってバストバンドを巻くと苦しいし、なにより**「蒼、おっきいね〜」**と楓にからかわれるのが恥ずかしい。
「……今日から“修行”だったな……って、え!? なんで私だけ着替え持ってないの!?」
「はいはい〜、女子くノ一初日恒例、裸で水練修行だよ〜!」と楓が笑顔で手を振る。
「私は観察担当〜♡」と、メガネをキラーンと光らせた。
「いやいやいや!? え?マジで? 紅も影もフツーに装束着てるんだけど!?」
紅はスレンダーな身体に軽装くノ一装束、影は黒のフードコートのまま。
「蒼、訓練に慣れてないだろ? 水の抵抗を感じるには……その姿がベストだそうだ」
紅は真顔でそう言うが、その目はどこかキョドっていた。
(コイツ、ちょっとだけ見たかっただけだろ……!?)
「さぁ、蒼! 飛び込むんだ!」
楓の掛け声に背中を押され、蒼は清流の中へ。
「うおおおお冷たっ!? おわっ、滑る滑るってば! ちょ、どこ掴んで――ひゃんっ!?」
どしゃーん!
蒼はバランスを崩して水中に落ち、華麗に水面を転がる。
その拍子に、胸がぷるんっ、太ももがちらり。
鼻血を垂らす紅。
「ッ……見てない……見てないぞ……」
「ふふふ、紅ちゃん。鼻から赤い感情が漏れてるよ〜♡」
楓が満面の笑顔でメモを取っている。
すると――
「……うるさい。静かにしないと、敵に察知される」
影が低く言いながら、岩陰から姿を現す。
いつの間にか、蒼の褌を回収して干していた。
「……あ、ありがとう……」
蒼はタオルを巻いて体を隠しながら礼を言う。
「……蒼。お前の鞭、練習しておけ」
影はぼそりと呟きながら、**蒼の愛用の“革の鞭”**を手渡す。
「よし、じゃあ行くぞ――《鞭術・第一式・蛇牙》!」
ビュッ! 風を裂いて鞭がうなる!
――が、ぐるん。
「え……? ちょ、うわぁあああ!?」
鞭が木に絡み、跳ね返り、蒼の身体にぐるぐる巻き!
「ひぃぃ!? ちょっ、きつ……おっぱい潰れるっ!?」
「記録完了。『蒼、自縄自縛、約15秒で悶絶』っと……」
楓が微笑んでメモ。
影は呟く。「……未熟」
紅は真っ赤な顔でそっぽを向く。「お、お前らふざけすぎだ!」
水面にきらめく朝日。
この異世界忍者学校――いや、くノ一修行の日常は、どうやら波乱万丈な毎日になりそうだ――。