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第11話:影の忍道 ―ZERO、仮面の下に潜むもの―



 


夜の森は、静かだった。

その静寂を破ったのは、訓練場で響いた「カン、カン」という金属の打ち合う音。


 


影――ZEROは、一人で修練をしていた。


彼女の手には、自身の身長ほどもある長刀。

その刃が、月明かりを受けて白く光る。


 


(まただ……また、夢に出てきた……)


右目を覆う眼帯。その奥が、うずく。

彼女の記憶に浮かぶのは、まだ「影」と呼ばれる前の、ただの少女だったころ。


 


「……ZERO」


背後から声をかけたのは蒼。

普段は賑やかな彼女も、今は声を潜めていた。


「寝れなかったの?」


「……修練中」


「そっか。でもさ、あまり無理しすぎると、あの猫耳フードが毛玉になっちゃうよ?」


「……なる。それは困る」


不器用に返すZEROの声に、ふっと蒼が笑った。


 


「ねえ、ZERO」


「……なに?」


「その眼帯の奥。いつか、外せる時がくるね?」


 


ZEROは黙ったまま、長い沈黙を置いた。


そして、静かに言った。


「“外す”べき時が来たら、きっと分かる。今はまだ……」


 


その時、背後から草を踏む音がした。


「そこまでじゃ!愛しのくノ一たちよ!」


ド派手な煙幕とともに現れたのは――


「……師匠?」


蒼たちの師、性別不明・性格謎・正体不明。

今日もまた、無駄にキラキラした登場だった。


 


「修行に身を焦がすその姿、涙が出るぞ!」


「……その涙、どうせ煙のせいでしょ」


「鋭いな、ZERO!」


 


「ということで、本日の任務は“潜入”。しかも……“くノ一カフェ”のバイト体験じゃ!」


「……は?」


蒼の肩が、また凝りそうだった。


「情報収集という名目で、潜入任務だ。女の武器を最大限に使って、客の心を盗むのじゃ!」


「忍びって……そういう仕事もするの……?」


 


「せっかくのナイスバディ、活かさねば損じゃろう!」


師匠の謎テンションに翻弄されつつ、次なるドタバタが幕を開ける――!


 


 




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