番外編 楓の暴走と“伝説の小槌”の秘密!?
静かな訓練場に、ひときわ怪しい声が響いた。
「ふっふっふ……ついに、わたしの《美乳強化装置・改》が完成しましたぁ~っ!」
楓の手には、例の“小槌”――
いや、今回は明らかに大きすぎる。
見た目は小槌というよりも戦車砲クラスである。
「……いや待て、楓!それ振ったら地形変わるぞ!?」
蒼が叫ぶが、楓は聞く耳を持たない。
「これぞ、感情増幅型美ボディ促進兵装……“ハイパー小槌MAX ver.”っ!」
振り下ろされた瞬間――
\ドカァァァァァァンッ!!/
吹き飛ぶ地形。宙を舞う紅のスカート。
そして蒼の服の一部が、風圧で“想像以上に”めくれ上がる。
「ちょ、楓ぅぅぅっ!何してくれんのよぉおっ!?!?」
紅が顔を真っ赤にしながら叫び、
蒼はと言えば――
「お、お前……胸のとこに……何塗った!?なんか、ムズムズするんだけど!!」
楓は満面の笑みで答える。
「ふふ、ちょっとした“美ボディマッサージエッセンス”をね、蒼ちゃんと紅ちゃんの肌に、風圧でね♪」
「お前、確信犯かあああああああああ!!」
こうして訓練場は一時、大混乱。
なお、“エッセンス”の効果は意外と高く、
翌朝、ふたりの胸元にはわずかな変化が見られたとか見られなかったとか……
その夜、日記にこう記された。
> 楓の暴走は、時に破壊を生み、
時に──ふたりの関係を、一歩深める何かを与えてくれるのかもしれない……。