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肉声を潰せ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

周りが私に憎悪をぶつける度に、

『んな事、私が一番わかってるよ。私が普通じゃないって』

『何度も言わせるなよ』

と薄ぼんやり思ってます。

この歳まで生きて来て、やはりどれだけ頑張っても受け入れられない物は存在する。

勉強も、食べ物も、ある程度克服してきた。受け入れて来た。けれどもやはり、人の声。取り分け幼子と老人の声はどうにも苦手で仕方がなかった。


駅で薄ぼんやりとしていると、子供の絶叫が聞こえてくる。甲高い声だった。空間を切り裂く声だった。其れが数m先から発せられる。反響を繰り返す。

――ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!! ヤダー!!

其れから免れる様に、私は改札を潜った。

けれどもそこを抜けた先に、新たな音があった。

老人のゆったりとした声だった。舌が縺れた状態で、同じ言葉を繰り返す。ぼんやりと拡散し、溶けいく。

この、幼子、老人の声。喋り方。トーン。これらを聞くと何も集中出来なくなる。この音源を丸々潰すか、聞こえない場所へと移動しないと、何をし出すか分からない。それぐらいの拒絶反応。だから私は人の声が雑音に成り下がる場所が何よりも好きだった。


「電車の音は良いね。これで何もかも、かき消してくれれば良い」

急激に上がり、ハイトーン。急激に下がり、ロートーン。全く肉声が入り込まない、完全な機械の叫び声。意味は存在しない。ただ線路と車体の摩擦音だけがこの子達の話す全て。

其れが何よりも心地好い。意味を持たず、乱れた音を刻まず、その機械の全てが。

「聴覚過敏……では無いようだね」

うっとりとその音に酔いしれていると、隣に座っていた彼が口を開いた。

聴覚過敏というのは、人が大して気にも止めない音に不快感を感じる症状の事だ。私は肉声、特に幼子と老人に強い拒絶反応を示すだけ。だから彼の言う通り、聴覚過敏ではない。

「どうにも、私は人という生き物が嫌いな様でね。自分でもおかしいと思っているんだ」

自分も同じ人間な癖に。自分も甲高い声で話した時期があった癖に。自分も歳をとれば、下が縺れた様に話す癖に。全く、人の事を棚に上げてよく言ったものだ。

「全ての生き物、現象のの中で、恐らく私は人が一番嫌いだよ。あの中にいると苦しくて仕方がない。だから其れを治めてくれる輩はいつでも必要だね」

其れが君さ。

以下何でも許せる方向け。

個人の意見飛び交います。私の発言が許せる方のみ宜しくお願いします。


人が嫌い。幼子が嫌い。老人が嫌い。老若男女、人混みに落とされると、直ぐに枯れる。

そう言うと、大抵の人々は『此奴頭おかしいんじゃないか?』『精神疾患持ちなんじゃないか』と言います。


そんなこと、私が一番分かってますよ。

分かっていることを言葉に出して自虐するのって、ただ抵抗するよりも数十倍疲れる。という事を残しておきます。

でもそうしないと、私が『おかしい』って認めるまで、心をズタズタにするでしょう?

非難する方々に言っても聞いてくれないでしょうが。


電車の音が好きなんですよ。

騒音と呼ぶに相応しい音量なのに、何処か幻想的で、科学的で、此処ではない空間を想像させてくれるから。

何の感情も含まない分、考える事に集中させてくれるから。

だから聴覚過敏ではありません。


人が好きな人の視線って、どうなんだろう。

やっぱり生きるの楽しいのかな。

ただ話し合うだけで満たされて、愛らしいと感じて。

だったらそれはとても幸せな事ですよ。

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