第9話 ときめき3
何か苦手な食べ物はある?
特にはありません
じゃ
僕に任せてもらってもいいかな
はい
ねぇ
幼馴染みなんだから
もっと気楽な感じでいいよ
あんな態度をとったから
警戒してる?
別に 警戒だなんて…
ただ ずっと会っていなかったから
久々というより初めまして…
みたいじゃないですか?
まぁね
あの写真
あれがなかったらたぶん…
がめつい女のままだった?
いや…あはは
お詫びに美味しいものを
ごちそうするよ
覚悟しておいてくださいね
車内は
他愛ない会話が弾んだ。
ブレッドが案内したのは
イタリアン。
美味しい料理を堪能しながら
昔話や学生時代のことで
会話は溢れるように続いた。
ワインを飲んで
ほんのりピンクに染まったリサの頬は艶やかで
大きな目はトロンとしている。
リサ
そろそろ帰ろうか
えぇ もう?
何だか眠たそうだよ
さっきお昼寝したから
ぜ~んぜん平気よ
クスッ
酔ってるね
なんだか 嬉しいの
あのね
来る前は不安だったの
ブレッドさんが
会ってくれなかったらどうしようって
でもねぇ
心配で 気になって
顔を見ないと気が済まなくてね
ブレッドさんの事情も考えずに
押し掛けちゃったの
ごめんなさい
だけど 来て良かった
安心して帰れる
でもまだ帰らないでしょ?
1週間の休暇をとったの
だから あと4日ね
そんなにすぐに帰るの?
だって仕事もあるし
そうなんだ
じゃ僕も休暇とっちゃおうかな
私と遊んでくれるの?
リサが良ければ
うん うん
子供みたいに
嬉しげにリサが頷く。
あはは
リサも僕も
あの写真と そう変わりないね
子供の頃から老けてたか…
それとも
成長してないのか…
リサが
真面目な顔で考えている。
その くるくる変わる表情が
何とも可愛らしく
ブレッドは微笑みながら
ジッと見つめていた。
さぁ
送っていくから
うん
大丈夫?
大丈夫 大丈夫
ほら
手を繋いで
うん うん
店内を歩く二人は
周りの視線を集める程
その容姿は際立っている。
まるで
恋人同士のように寄り添う二人だった。




