第8話 ときめき2
レイモンドホテルに戻り
部屋に向かう前に
フロントに立ち寄った。
女性のスタッフだったので
リサは聞いてみる。
あのう
ちょっとお聞きしたいのですが
このあたりに手頃なブティックはありますか?
すると
あいにくこのあたりは
デザイナーズブランドの
専門店ばかりなんです
車で20分程の所にモールがあるのですが
そうですか
わかりました
ありがとうございました
どうしようかなぁ
考えながら
エレベーターに乗り込む。
持ってきたものの中に
ディナーに着られそうなものがあったかしら
少し急ぎ足で部屋に入り
クローゼットを見る。
これで何とかなるかなぁ
ハンガーにかかったドレスを手に取り
鏡の前に立って合わせてみる。
シンプルな淡いブルーの
Aラインドレス。
派手さはないけど
デートじゃないし いいかな
時計を見ると
15時半を過ぎたばかり。
ドレスをクローゼットに戻すと
急に眠気が襲い
リサはベッドに横たわった。
しばらくして
少しゾクゾクっと寒気を感じ
リサは目を開けた。
窓のほうに目をやると
周りのビル群の窓明かりが灯り
キレイな夜景を形作っている。
ハッとして時計を見ると
19時になったところだった。
いっけない
遅れちゃう
慌ててバスルームに飛び込み
シャワーを浴びる。
大急ぎで洗い終えてバスタオルを巻くと
メイクにとりかかる。
普段からメイクには10分しかかからない。
いつも通りにササッと済ませて
髪を乾かす。
決めておいたドレスを着て
ハイヒールを履きながら
慌てて部屋を出た。
エレベーターの中で時計を見る。
間に合ったぁ
ロビーに着くと
ブレッドが ゆったりとソファに座っていた。
お待たせしました
少し息を弾ませて
リサはブレッドに微笑む。
まさか
非常階段を降りてきたの?
冷やかすようにブレッドが言う。
少し眠ってしまったんです
遅れるかと思いました
肩を大きく上下させて
息を整えるリサに
恋人はデートのときに君が遅れると怒るの?
女性は少しくらい
男を待たせたって構わないんだよ
そう言って
にっこり微笑みながら
ブレッドが立ち上がる。
さぁ
行こうか
二人並んで玄関に向かう。
ブレッドが
停まっている車の助手席のドアを開けた。
どうぞ
ありがとう
シートに滑り込むと
胸のドキドキを鎮めるように
リサは大きく息を吐いた。




