第40話 提案
ブレッドからの連絡が1週間途絶え
リサは不安な毎日を過ごしていた。
ただ忙しいだけではなさそうな
何だか嫌な胸騒ぎがした。
その夜
仕事を終えて食事を済ませたリサに
ブレッドから電話がきた。
ブレッド
元気だった?
リサ
連絡できなくてごめんね
今日は大事な話があって電話したんだ
大事な話?
うん
リサの仕事のことなんだけど
仕事がどうかしたの?
今の仕事を辞めて
僕のホテルで働いてもらえないかな
えっ?
ホテルで?
うん
実はホテルで
新しいレストランをオープン予定なんだけど
そのメニュー作りから後々のケアについて
リサの力を貸してほしいんだ
メニュー作りって…
ドクターズレストランって
聞いたことあるでしょ?
ドクターが監修した
体にやさしいメニューを提供するレストラン
病気のある人でも安心して食事ができる
そんなレストランを作りたいんだ
私にできるかしら
大丈夫だよ
でも無理はしないで
仕事はたてまえ
本音は傍にいてほしいんだ
もしかして
そのために仕事を作ったの?
いや
レストランの件は
すでに準備が進んでいたんだ
スタッフが決まっていなかったんだけど
いろいろ根回しして
社長の権限でリサを推薦したわけ
そんなことして大丈夫なの?
僕は社長だからいいの
クスッ
ブレッドったら
前向きに考えてもらえると
うれしいな
リサ
僕の病気を治せるのは
リサだけだって知ってるよね
ブレッド
もしかして蕁麻疹がでてるの?
うん
薬で抑えてるけど完全ではないんだ
寂しい?
リサに会いたい
会いに来たら?
今は無理なんだ
そう
わかったわ
少し考えさせて
だけど
辞めるにしてもすぐには無理よ
1ヶ月くらいは引き継ぎしないと
そんなに…
リサが恋しくて変になりそうだ
どうしてほしい?
僕を愛してる?
ええ
もちろん
ブレッドを愛してるわ
ありがとう
その言葉が聞きたかった
リサ
僕も愛してる
離れている時間が千年にも感じるよ
電話を切ったあと
リサはすでにブレッドからの申し出を
受けようと決めている自分に苦笑いする。
考えてみるって言っておきながら
すでに決めてるわ 私
明日 病院に伝えなきゃ
新しい仕事への不安がいっぱいだったが
ブレッドの傍にいられる喜びで
リサの心は浮き立っていた。




