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第37話 浮き立つ気持ち

廊下に出ると

ブレッドがリサに訊いた。




そろそろ終わる?



リサが腕時計を見て




そうね

時間だわ


これを片付けたら帰れるわよ




抱えた資料を見ながら

リサが言った。




じゃ

駐車場で待ってるよ


食事に行こう




うん わかった




その場で別れ

二人は反対方向に廊下を歩き始めた。




資料を片付けたリサは

着替えをしにロッカールームに向かった。


すでに数名が帰り支度をしている。




リサ



ジェニーが声をかけた。




お疲れさま

今日は一緒の上がりね



リサが言うと

ジェニーはニッコリしながら近付いてきた。




リサ~

デートなの~?




えっ… う うん




会・わ・せ・て




いいけど…




じゃ

早く着替えて


メークも直さなきゃ




えっ

いいよ メークは




はぁ?

デートでしょ?


まさか

いつもその顔で?




ダメ?




それは

メークじゃないでしょ


はい 座って




着替えを終えたリサを座らせると

自分のメーク道具をだして

リサに向き合う。




美人を隠すメークだわね

ある意味 すごいわ



呆れ顔のジェニーが

手際よくメーク直しをすると

いつの間にか周りに集まっていた同僚から




リサ きれ~い!



という歓声が上がる。




せめて最低でもこのくらいはしなさいよね



手鏡を渡されて覗き込むと

いつもとは全く違う自分がいた。




どう?

キレイでしょ?




私じゃないみたい

何だか恥ずかしいなぁ




いいから いいから

早く行こう




ジェニーがリサを急かせて

小走りの集団が職員通用口を通り抜ける。




リサ



頃合いをみて

通用口前に車を廻してきたブレッドが

リサの姿を見つけて声をかけた。


リサの後ろの野次馬集団から

ため息混じりの賛辞が聞こえる。



リサを見つめていたブレッドは

野次馬の歓声には反応せず

リサの姿に満面の笑顔を浮かべた。




リサ

キレイだよ




キャー



野次馬からの黄色い声に気付いたブレッドは




こんばんは



後ろの野次馬集団に笑顔を向けた。



ジェニーが進み出て




リサ

紹介してよ



と言うと




あっ ごめん ごめん



リサが二人を紹介すると

お互いに挨拶を交わす。




リサのことをよろしくお願いします




ジェニーが微笑みながら

でも真剣に

ブレッドに言った。




はい 任せてください




ブレッドもまた真剣に応える。




リサ

良かったわね


安心したわ


ごめんね 引き留めて

さぁ いってらっしゃい




ありがとう



リサが瞳を潤ませて

今にも泣き出しそうな顔で

ジェニーに抱きついた。




抱きつく相手が違うでしょ


ほら

せっかくの美人が台無し




ブレッドが助手席のドアを開けると



リサがジェニーに頷いて

車に乗り込んだ。




うっとり見つめる野次馬集団を残し

ブレッドの車が走り出した。


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