第31話 前進3
ブレッド
あなたの病気の治療をするわ
ん?
どんな薬が必要?
どんな手術をしたらいい?
この間の続きを訊いていいんだね
リサが頷く。
僕の心の中のリサの場所が
どんどん大きくなって
恋しくて仕方ないんだ
リサを真っ直ぐに見つめて
ブレッドが力強く言った。
その言葉を聞いたリサが
少し照れくさそうに微笑む。
本当のこと言うとね
あなたは幼馴染みだけど
ずっと特別な存在だったの
きっと
ここで遊んでいた小さい頃から
あなたは私の心の特別室にいたんだわ
リサ
それは…
私もブレッドが好き
あなたに恋してるの
リサ
ブレッドは
満面の笑みを浮かべて
リサの頬を手のひらで包み込む。
とても良く効く薬だ
ブレッドは
反対の手でリサを引き寄せ
そっと口づけた。
唇が離れ 目を閉じたまま
リサが囁く。
治った?
ううん
まだ
ブレッドはそう答えると
もう一度リサに口づけた。
一度目より長く…
離れたリサの唇が
どう?
と囁く。
言葉もなく
再びリサの唇を奪うブレッドは
もっと
まだ
離せない
口づけの合間に切れ切れに呟く。
食むような甘い口づけに
二人は酔いしれた。
ようやく離れた二人は
輝く瞳で見つめ合う。
リサ
僕が今
どんなに幸せかわかる?
リサが帰ってから
1日1日をやり過ごすのが
とても辛かった
心の一部が剥ぎ取られたようでね
幼馴染み以上にはなれないとわかっていても
リサに会いたくて仕方なかった
ブレッド
リサ
僕の傍にいてくれないかな
それはどういう
リサの言葉を遮り
ブレッドがさらに言う。
プロポーズだと思ってもらって
構わないんだけど
リサの心は
一瞬 大きくときめいたが
それとは逆の言葉を囁いた。
ごめんなさい
それは…
できないわ
整った顔を曇らせてブレッドが訊いた。
どうして?
さっき
僕に恋してるって言ってくれたのに
ええ
それは本当よ
でも その先はないわ
なぜ?
もしかして
縁談のことを気にしてるの?
リサはブレッドの瞳を真っ直ぐに見つめて
こくこくと頷いた。
そんなこと気にしないで
ううん
大事なことよ
ブレッドの一生のことだもの
私にあるのは
ブレッドへの思いだけ
何も持っていないわ
それでいい
いや
それこそが大切なんじゃない?
ブレッド
あなたの背負っているものは
とてつもなく大きいわ
私では一緒に担えない
それができる
相応しい人が必要でしょ
それに
こんなに素敵なんだもの
あなた好みの女性を選び放題選べるわ
リサ
本気で言ってるの?
うん
それで平気なの?
少し寂しいけど
私のために
ブレッドが苦い思いをするくらいなら
私は今のままがいい
リサ
ブレッドは言葉もなく項垂れていた。




