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第24話 ふたりの距離

ねぇ ブレッド


今夜は私にご馳走させて


せめてものお礼のつもりだから




お礼ってなんの?


リサと遊んであげたこと?


それならお礼なんていらない

僕がリサと一緒にいたかったんだ

リサといる時間が楽しくて嬉しくてさ




ありがとう

私も楽しかったわ


あまり記憶はないけど

幼馴染みっていう事実が

ブレッドを近い存在に感じるの


だからね

こんなに素敵になってて


なんていうか

誇らしいっていうか自慢したい気分なの


ふふふ

変よね




嬉しいよ

そんなふうに言ってくれて


僕もリサには特別な気持ちがある


この繋がりは

これからも大事にしたい




そうね




だから気まずい関係は嫌なんだ




私も同じよ




じゃあ

ハグ




クスッ

変なの ブレッドったら



広げたブレッドの腕の中に

リサは微笑みながら収まった。




う~ん

リサ…



ブレッドの腕に力が入り

リサを左右に軽く揺らしながら

強く抱き締めた。




もう 離さないぞ~




うふふ


でも

お腹が空いたわ




あぁ リサ


ムードぶち壊し~




だってぇ



抱き締められて

胸がドキドキしているリサは

戯れ言でも言わないと

気持ちを知られてしまいそうだった。




さぁ

じゃ 空腹を満たしに行きますか



抱き締めていた腕を離し

最後に夜景を見て

ブレッドはリサの手を握り

エレベーターへと向かった。



結局

夜景を見たのは最初だけ。


雰囲気で誘惑しようと言った

ブレッドの思惑にしっかりハマっていたと

リサは苦笑する。


元々

ブレッドに心を奪われていたのだから

抗うことなどできるはずもなかったのだと

小さくタメ息をついた。




リサ?




うん?




どうしたの?

急に黙って…




あぁ

何を食べようかなぁって

お腹と相談してたの




クスッ

おもしろいね リサは




エレベーターに乗って

駐車場に向かう。


車に乗り込むと




お腹は何だって?



ブレッドが微笑みながら

リサに聞いた。




ご馳走するんだから

ブレッドの好きなものにするわ




じゃ

僕もお腹に聞かなきゃ




微笑み合う二人の間にまた穏やかな空気が流れ

リサはホッとしていた。



と同時に


この時間があとわずかということを

ふと思い出して胸が痛んだ。



そっと

ブレッドの横顔を見る。


人を恋しく想うのに

時間は関係ないのだとつくづく思った。




視線を感じるよ

もしかして見とれてた?




クスッ


よくわかったわね


そうよ

なんて素敵なんだろうって

見とれてたの




ホントに?




ええ

ホントよ




照れるなぁ




今のうちに

ちゃんと言っておきたくて




なんだか

これでもう会えないみたいな言い方だよ




そう…かな


ほら

ちょっと遠いし


お互いに忙しいから

すぐにって訳にはいかないしね


次に会うときまでの分

いっぱい言っておきたくて




他の誰から言われるより

リサに褒められると胸が高鳴るなぁ


すぐに

リサ欠乏症になりそうだ




ブレッドの言葉もまた

他の誰から言われるより

リサの胸をときめかせていた。


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