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第19話 わかれのとき2

リサの希望通り

ブレッドの運転でモールに来ていた。


昨日 二人が行った所とは

別の場所だ。


リサは

また自分の物を吟味する。




これって派手すぎるかな?




僕に聞いたの?




うん




いや

とても似合うと思うよ




そう?

じゃ 買っちゃお



支払いに行くのかと思ったら

また探している。




ねぇ ブレッド

これなんかどう?




うん

いいんじゃない?




ほんとに?




うん




でもねぇ

こっちも捨てがたいのよねぇ



そう言いながら

ブレッドに問いかけるような

眼差しを送る。




それも素敵だね




でしょ?

どっちにしようかなぁ




両方買えば?




ううん

どちらか選ぶわ



洋服をあててみながら

鏡越しにブレッドを見る。




リサ

僕に聞かないで


何を着ても君に似合うと思うから




ブレッドったら



照れ臭そうにリサが笑った。



結局 3着買って

その中からおみやげを選ぶことにした。



ブレッドは前日と同じように

片手には荷物

反対の手には

リサの手がしっかりと握られている。




ちょっと遅くなったけど

ランチにしよう




そうね


ごめんね

私のせいで遅くなっちゃった




気にしないで

こうして一緒に過ごしているのが

楽しいんだ




そう?





少し歩いて手頃なカフェを見つけ

二人は空腹を満たした。




さて

このあとはどうする?



コーヒーを飲みながらブレッドが言う。




う~ん

特に考えてなかったわ




じゃ

僕の家に来る?




あっ

えっと

それはまた今度にしようかな



リサはブレッドの誘いに僅かな戸惑いを見せた。




もしかして

家に来るのをためらってる?


気まずいの?


家のことをしてくれる人が

離れにいるから

リサがいる間

二人きりにならないようにするよ


それでもダメ?




私たちはただの幼馴染みよ

だけど

独身の女が独身の男性の家に行くのは

どうかしら?


知らない人から見たら

疑われても仕方がない状況じゃないかな?




僕はそれでも構わないんだけど


リサにとって

僕は幼馴染み以上にはなれない?




リサの心は揺れていた。


再会してほんの数日だけど

一緒に過ごすうちに

ブレッドに惹かれていたから。



ブレッドの言葉は

恐らく私と同じ気持ちだということだよね?


私も

正直な気持ちを伝えようか


いや

フォード弁護士が

わざわざ言いに来たのは


彼にとって私は

相応しい相手ではないと考えたから


ずっと見守っていた人だもの

彼のことを思ってのことだったはずだわ




ブレッドのことは大好きよ


でも

家族…みたいなものかしら


これからも

そんなふうに繋がっていたいの




そっかぁ


でも待っていたら

いつか僕に恋してくれる?



その言葉は

リサの心を熱くした。




そんなふうに言ってもらえて

私は幸せだわ


だけど…

待たないで




そんなに急いで

答えを出さないでいいから


でないと

リサが帰った後

寂しくて仕事どころじゃなくなる




ブレッド…




リサは

心の内を隠しながら

必死に平静を装っていた。


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