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第16話 ほろ酔い

食事を終えてから

同じフロアーにあるバーに移動した。


この雰囲気でお酒を飲んだら

変なことを口走りそうで

リサは内心ドキドキしていた。


案内されてふかふかのソファに座ると

ストンと沈み

椅子に抱かれているように感じる。



オーダーした白ワインが

テーブルに運ばれてくると


微笑み合いながら

軽くグラスを上げて口に運んだ。




ブレッド

車なのに大丈夫なの?




今夜はここに泊まるから




あぁ

専用のお部屋があるのね?




いや

リサの部屋に行ってもいいかな?




えっ?


えっと~

シングルベッドだし


わ わたし

酔うと 夜中に寝言がうるさいみたいだし…




クスッ

慌ててるね




あっ…


嫌だ

またからかってるのね

もう




ごめん


リサの表情が

百面相みたいに変わるのが

楽しくてさ


大丈夫

リサの言うように部屋があるから


で?

明日の予定は?




明日は

あなたのご両親に会いに行くわ




その後は?




特にないわ




じゃ

僕の家に来ない?




いいの?




もちろん




じゃあ…

伺います




話をしながら

わりと早いペースで飲んでいたので

リサは酔いがまわってきた。



ブレッド


おうちには

だれかいらっしゃるの?


う~ん

おうちのことをしてくれたりぃ

おしょくじのしたくをしたりぃ


あっ

わかいこをやとって

すまわせたりしていないでしょうねぇ


さっきもいったけどぉ

わかいこに こいごころを

いだかせちゃったら

かわいそうよ~


あなたが

にこっ とするだけで

どきっ ってなっちゃうのよ




誰が?




じょせいたちが

わたしも よ




ドキッとしちゃったの?

僕に?




うん うん


ブレッドはすてきだわぁ


おさななじみとして

ほこらしいもん




幼馴染みっていうだけ?




う~ん

わかんない


どきっ とするけどぉ

かぞくみたいに あったかいしぃ

いっしょにいると

あんしんするしぃ


たしかなのはね


だいすき

ってことかな


ふふふ




リサ


僕もリサが大好きだよ




ありがと


じぶんを

すきでいてくれるひとがいるって

うれしいよね~


さびしいときはぁ

ブレッドをおもいだすわぁ




トロンとした目が

もう少しで瞑りそうになったので


ブレッドは

リサを立ち上がらせて

肩を抱いて店を出た。




2杯しか飲んでないのに


リサ 大丈夫?




うん うん

ふわふわするぅ




歩ける?

抱っこしようか?




いや~ね~

だいじょうぶよ~


でもぉ

てはつないでね~


ふふふ



エレベーターに乗ると

また二人黙っていた。



ドアが開き

廊下をゆっくり歩き出す。


ブレッドは何かを考えながら

リサは酔っているせいで

ただ黙って歩いた。



部屋の前で止まり

カードキーを差し入れて

ドアを開ける。




では

またあしたね



リサが微笑んで手を振った。




明日は特に時間を決めないから

起きたら連絡して




うん うん

よろしくね




大丈夫?

気持ち悪くない?




うん うん

だいじょうぶよ



ほんのり頬を染めて

酔いのせいか少し潤んだ瞳で

リサはブレッドを見つめた。




ブレッドは?

だいじょうぶ?




大丈夫だよ


じゃ おやすみ



そう言って

ブレッドはリサの頬に

くちづけた。




あっ

きすした…いま?


どうして?


あぁ

おやすみのきすね



じゃ わたしも…

おやすみなさい



リサが背伸びをして

ブレッドの頬に口づけを返した。



にっこり微笑むリサの頬を

指の甲でそっと撫でたブレッドは




行くね




そう言って去って行った。


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