表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第1章 ある日天使がやって来て
73/237

#073 アセント!



「それじゃ、まずは何をするんだ?」

「そうだな……。まずはトランプゲームでもするか」


 俺はちょうどテーブルの上に置いてあった一組のトランプを手に取り、カードを切る。ケーキができたという連絡もまだ来ないし、時間を潰すにはちょうどいいだろう。


 ちなみに俺の家にはテレビゲームの類はない。何故なら、姉ちゃんは幼い頃からアウトドア派だったし、俺はそういうものにあまり興味が湧かなかったからだ。だから、小学生の時は周りのゲーム談義に加われなくて、大変だった思い出がある。


「トランプゲームと言っても色々あるぞ。いったい何をやるんだ?」

「そうだな……さしあたり『ダウト』あたりからやってみるか」

「だうと?」


 五十嵐は今までにダウトをやったことがないからか、俺の言葉に首を傾げている。そもそもトランプで遊んだことすらないんじゃないか? 俺は各々にカードを裏にして配っている間に、五十嵐に簡単に説明をする。


「ざっくり言うと、一人何枚かずつカードを持って、場にカードを出していって、早く上がった人が勝ち、っていうゲームだ」

「なんだ、簡単じゃん」

「ただし、いくつかのルールがある。

 一つ目、自分の番では、前の人より一だけ大きな数字のカードを出す。同じ数字なら何枚でも同時に出してOK。一の代わりはA、十の次はJ、その次がQ、その次がK、その次はAに戻る。

 二つ目、カードは伏せて出す。その時に、自分が出したカードの数字を必ず言う。

 三つ目、これが重要なんだが、カードを出す時に嘘が言える」

「嘘?」

「つまり、自分の手札に、次に出さなければいけないカードが無かったとき、別の数字のカードを嘘をついて出すことができる、ということだ」


 例えば、次に自分がAを出さなければならないとき、もし自分の手札にAが無ければ、KとかJとかを伏せたまま出すことができるのだ。


「そして他のプレイヤーは、出したプレイヤーが嘘を言ったと思ったら、『ダウト』と言う。もし、出したプレイヤーが嘘をついていたら、場の全てのカードは出したプレイヤーのものになる。ただ、嘘をついていなかったら場合は、『ダウト』と言ったプレイヤーのものになるんだ」

「ふーん……簡単そうで難しそう」

「まあ、そんなもんだ。あとは、最初に親はAを出すこと、誰か一人が上がった時点でゲームは終了、他は持っているカードが少ない順に順位が高くなる、ってことだな。分からないことがあったら遠慮なく質問してくれ。それじゃあ、じゃんけんで親を決めるか」


 じゃんけんの結果、最初にカードを出す親はもっちーになった。それぞれがちょうど配り終えたカードを、他人に見えないように裏返して、様々な表情をする。五十嵐は微妙な表情、水無瀬は無表情、もっちーは『キターーーー!』といった感じの表情を。


「よーし、勝つぞ!」

「……」

「うーん……」


 俺は皆を見渡すと、ちょっとカッコつけてゲーム開始を宣言した。


「さあ、ゲームを始めよう」

「アッ●ェンテ!」


 ……流石ですね水無瀬さん。元ネタを見抜いて乗っかってくるとは。



 次回、2022/06/01 07:00頃投稿予定!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ