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俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第1章 ある日天使がやって来て
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#067 せいにこらす



 帰り道。四人で教室を出て、駅前でもっちーと水無瀬と別れ、俺と五十嵐は二人で電車に乗り込む。

 ふと、五十嵐が車内で見上げてポツリと。


「そういえばクリスマスってもうすぐなんだね~」

「そうだな」


 五十嵐の視線を辿ると、ドア上の映像広告が目に入った。映し出されているのは、クリスマスセールだとか、遊園地だとかのCMだった。


 クリスマスまではもう一週間もない。


「やべっ!」

「どうしたの?」

「クリパの準備すんのすっかり忘れてた……」


 最近色々ありすぎてクリパのことをすっかり忘れていた! そろそろ準備を始めないと、間に合わなくなってしまう。


「でも、クリスマスまでまだ数日あるよ……?」

「もうこの頃になると、クリスマスケーキなんかは予約が殺到すんだよ」

「ケーキなんて食べるの⁉」

「ああ。クリスマスでケーキを食べるのは一般的だぞ」


 クリパにケーキはつきものだからな。

 それに、今年からクリパのメンバーが一人増えるから、ワンサイズ大きなものを頼まなければいけない。果たして当日までに届いてなおかつ予算オーバーしないかどうか……。


 まあ、もし万が一足りなかったら、五十嵐に頼んで、神から貰った一億円をちょっとだけ使わせてもらうか。


「それに、当日までに色々とプレゼントを用意しとかなくちゃな」

「プレゼント? クリスマスにプレゼントをあげる習慣でもあるの?」

「その通りだ。よい子の皆は二十四日と二十五日の間の夜に、『サンタクロース』なる白髭のお爺さんがプレゼントをもたらしてくれると信じているぞ」


 俺は小五の時、その幻想がぶち殺されたけどな。親父がヘマをやらかしたせいで。


 あの日、俺が寝ていると突然腹が踏みつけられる感覚がして、飛び起きたら枕の脇にプレゼントを置く親父の姿が……。それ以来、我が家にサンタは来ていない。


 俺が残念過ぎる思い出を回想していると、五十嵐はその言葉が腑に落ちたようで、ポンと手を打つ。


「ああ、聖ニコラスの伝承ね」


 え? なんだって? 性に凝らす?


「……多分そうだ」


 聖ニコラスが誰だか知らないけど、一応同意しておいた。後で調べてみよう。

 だったら、と五十嵐は言葉を続ける。


「午前中で授業が終わったから時間あるし、クリスマスプレゼントとケーキを買いに行こうよ」

「そうだな。そうしようか」


 ……あれ? でもこれって二人で買い物ってことだよね?

 ……つまりデート?



 次回、2022/05/29 08:00頃投稿予定!

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