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俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第2章 移ろいゆく関係の末は
187/237

#187 人間じゃないっ!



「……ぐずっ」

「……大丈夫?」


 二時間以上にわたった映画の後、俺たちはスクリーンを後にした。


 そして、俺はこの映画で感動して涙を流していた。


 だって、あんなに深いストーリーだとは思わなかったんだもん! 見る前までは恋愛映画と高を括っていたが、認識を改める必要がありそうだ。特にあの最後の主人公とヒロインのシーン……あそこはスゴかった。これ以上はネタバレになるから言えないが、とにかくスゴかった。『スゴい』を連発することしかできない俺の貧相な語彙が恨めしい。


 というか逆にさ。


「五十嵐は感動しなかったのか……?」

「えっ、う、うん、感動した、よ?」


 おい、何故疑問形なんだ。あの話はとんでもなくよかっただろうが! あれで感動できなかったら人間じゃないと思う。


 これは、明日学校でもっちーあたりに布教すること確定だな。



 ☆★☆★☆



 数分後、俺がある程度落ち着いた後、俺たちはシネコンを後にした。


「それにしてもお腹空いたね~」

「そうだな……もうそろそろ昼飯にするか」


 現在時刻は午前十一時半。少し早いが昼食の時間帯だ。

 俺たちは建物を出て、飲食店が集中している駅ビルの中に入る。


「慧、どこに行く?」

「そうだな……あそこの店とかはどうだ?」


 俺が指さしたのは、立ち並ぶ店舗のうちの一つ、超絶オッシャレなパン屋だ。普段の俺なら絶対に入らない、そもそも選択肢のうちにすら入ってこないだろう店。

 一応、こういうこともあろうかと、事前に家で調べておいたのだ。ここから見る限りだと、まだ時間帯が少し早いのか、併設されているイートインコーナーは空いている。昼食を食べるのならかなりいい場所だと思う。


 さあ、後は五十嵐が気に入るかどうかだ。俺は恐る恐る、五十嵐の反応を窺うと……。


「いいね! あんな素敵な店、入ってみたかったんだ!」

「お、おう」


 五十嵐は嬉しそうだった。どうやらお気に召したらしい。よかったぁー……。


 というわけで、店の中に入ると二人掛けの席を確保した。


 こういう店なんて入るの初めてだから、なんか緊張するな……。

 ってか、五十嵐と二人きりで外食するのって、遊園地以来だな……。


 やべぇ、そう考えると急に緊張してきた。

 俺はそれを隠すように、メニューを開いて昼食を選び始めるのだった。



 次回、2022/07/29 07:00頃投稿予定!

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