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俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第2章 移ろいゆく関係の末は
140/237

#140 珍しいな……



 今日も授業が終わり、キーンコーンカーンコーンと平和なチャイムの音が響く。

 六時間目の授業が終わった今、SHRまで五分間の休憩時間に俺たちは入る。


 俺が六時間目の国語の片付けをしていると、不意にもっちーが話しかけてきた。


「なー慧、月曜って雪が降るらしいね」

「そうだな。だが、この学校は休校にはならないと思うぞ」

「くっ、大雪でも屈せぬか、この機関……!」


 聞いていたのか、水無瀬が話に加わってくる。

 強気な女騎士を捕らえて色々白状させようと四苦八苦している魔王軍の四天王みたいな反応だな水無瀬さん。


「んまあ、生徒手帳にも『大雪の時は休校』とは書いていないしな。あったとしても、よくて一、二時間目のカットだろ」

「でもな、今回はそうでもないみたいだぞー」

「「え?」」


 俺と水無瀬が思わず声をあげた瞬間、五分間の休みの終了を告げるチャイムが鳴る。


「はーい、それでは帰りのSHRを始めま~す」


 すかさず堀河先生がSHR開始を宣言したため、俺たちはもっちーから話を聞けずに席に座る。


 毎週金曜日の六時間目、このクラスでは堀河先生が国語を俺たちに教えている。それで、先生がこのままクラスに居残るため、他のクラスと比べて比較的スムーズに帰りのSHRが進行されるのだ。他のクラスはチャイムが鳴っても、一、二分はまだ休み時間みたいな状態になるそうだ。

 まあ、この方が早く帰れるからいいんだが。


 そして、先生は緩い感じで衝撃的な発言を投げてきた。現在日本の南岸に迫っている爆弾低気圧みたいに。


「それでは早速ですが、月曜日は大雪の予想なので、学校が休校になりました~」


 おお、マジか⁉ 珍しいこともあるんだな。大雪でも関係なく暴風雪警報が出るまで普通に学校をやるのかと思っていた。

 突然の休校宣告に、クラスメイトたちも驚きを隠せないようだ。一瞬静寂が訪れる。


「おお~やったー! 学校休みだー!」


 そしてその静けさを打ち破るように、もっちーが突然大きな声を出して拍手をし始める。それに便乗するように、クラスでも全体がたちまち拍手の渦に包まれる。調子に乗って口笛まで吹いている奴も出てきた。


 ってなんで先生まで手を挙げて拍手に応えているんだよ……。ノリよすぎだろ。


「はいは~い、静かに~」


 数秒後にパンパン、と先生が手を鳴らすと、ようやく拍手は収まり静かになった。


「こういうことなので、月曜日は間違えて学校に来ないで下さいね~。それでは皆さんさようなら~」


 そう挨拶するなり、教室は突然の休校で浮かれるクラスメイトの喧騒に包まれるのだった。


 今日から三日間、ゆっくりできるな!



次回、2022/07/05 19:00頃投稿予定!

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