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俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第2章 移ろいゆく関係の末は
139/237

#139 雪だるマーク



 文理選択のプリントが配られてから、二日が経過した。

 五十嵐は只今考え中で、どっちのコースにするのか、未だ決めかねているようだ。


 じっくりと悩みに悩んで、それから自分自身の中で出した答えこそが、自分にとって最善のものになるのだと俺は思う。だから、今は五十嵐の文理選択に関しては、俺は口を出さずそっとしておくつもりだ。


 俺たちは、いつものように朝家を出ると、駅へ向かって住宅街の道を歩く。


「それにしても寒いねー……」

「ああ、そうだな。暦の上では、今が最も寒い時期って言われているしな」


 そのせいか、コートとマフラーと手袋をしても、まだまだ冷気が入り込んでくる。何故日本はこんなに寒いのだろうか……。


「わっ、今の気温、マイナス三度だって!」


 ほらほら、と五十嵐がスマホの温度表示をこちらに見せてくる。ここんところずっと晴れだから放射冷却でも起こったのだろうか。確かこの仕組みは地学でやったような気がするな……。いつやったんだっけ?


「それに、明日は雪が降るみたいだよ」

「なにっ⁉」


 スマホを弄っていた五十嵐が、再びこちらに見せてくる。

 そこに表示された天気予報では、確かに日曜日の午後七時からずっと雪だるまマークがついていた。


「マジか……。知らなかった」


 ここ最近全く天気予報を見ていなかったから、そういうのに疎くなっているのかもしれない。


「今回は、爆弾級の南岸低気圧がやって来るから、過去最強の大雪になるみたいだよ」

「ふーん、そうなのか……」


 大雪か……。ここ何年もずーっと積もっていなかったから、久しぶりに銀景色が見れるかもしれないな。


「もし雪が積もったら、雪遊びできるかな?」

「まあ、できるんじゃないか?」

「やったー!」


 無邪気な子供かよ……。まあ、元天使だし、積もった雪なんて見たことないだろうから、無理もないか。


 子供にとっては大雪は楽しいものかもしれない。だが、俺にとってはあまりよいものとは思えない。


「でもな、いいことばかりじゃないぞ。例えば、大雪で学校に行きづらくなるからな」

「え? 雪が降っても学校あるの?」

「まあ、あるだろうな」

「そんなー‼」


 落胆しすぎだ……。


「俺たちの学校は、暴風警報もしくは暴風雪警報が出た場合にのみ休校になる。これは生徒手帳にも書いてあるんだが、まあ実際そんなものはこの地域じゃ滅多に出ないから、土砂降りだろうが大雪だろうが学校はあるんだよな」

「厳しすぎだよ……。警報じゃなくて注意報でも休校にして欲しいな……」


 ホントそれな。マジでそうして欲しいと何回思ったことか。だが、規則は規則。仕方がない。


「文句なら姉ちゃんに言ってくれ」


 生徒会長である姉ちゃんなら、もしかしたらなんとかしてくれるかもしれない。でも、『え~なんで変えるの~? 学校楽しいじゃん!』とか言われそうな気もする。


 まあ、とにかく月曜に雪が降ろうが、学校は休みにならないだろう。

 あー、雪で憂鬱になるな……。



 タイトルは脱字していません。

 次回、2022/07/05 07:00頃投稿予定!

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