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俺を殺しに来た天使が許嫁になったんだが……?  作者: 卯村ウト
第2章 移ろいゆく関係の末は
125/237

#125 感染源はアイツ



 病院を後にして、俺と母さんは薬を貰って家に帰った。


 時計を見ると、もう午後二時近くになっていた。そろそろ五時間目が終わる頃だろう。


 そういえば、なんだかんだ言って、俺はまだ昼飯を食べていないんだよなぁ……。

 そんなことを考えた瞬間、呼応するように俺のお腹がぐうぅ……と鳴る。あー、腹減ったー……。


「何か食べるかしら?」

「あー、弁当食べるから大丈夫」


 俺はソファーの上に投げっぱなしだった鞄の中を漁ると、今朝自分で作った弁当を取り出す。


「いただきます」


 皆から遅れること約二時間、俺は弁当を食べ始める。あー美味しくねえ。というか熱と体のだるさのせいでじっくり味わう余裕がない。

 と、俺の向かいで母さんがカップラーメンを食べ始めた。母さんもご飯を食べていなかったらしい。俺がインフルエンザに罹ったせいで迷惑をかけてしまったのだ。


 そして、俺がインフルエンザに罹った原因と言えば……水無瀬で間違いないだろう。一昨日、猛烈に咳をしていたもんなぁ……。インフルエンザって言っていたし、ほぼ確実に感染源はコイツだ。


 それにしても、母さんはカップラーメン以外のものを食べた方がいいと思う。まあ、好みなんだろうけどさ、もうちょっと栄養バランスを考えないと、定期健診で引っかかるよ?


 すると突然、母さんのスマホがけたたましい音を鳴らし始めた。母さんは右手で箸を持って麺をズルズル吸いながら、左手で電話に出る。


「はい、雨宮です……はい、はい。……はい、分かりました。すぐに行きます」

「どうしたの?」

「これから会社に行かなきゃいけなくなったのよ……」

「お疲れ様です」


 母さんは疲れたようにそう言うと、カップラーメンの汁を一気に飲み干すと、傍らに置いてあったバッグを手に取る。カップラーメンの汁を全部飲み干すとか、健康に悪すぎだろ!


「それじゃあ、ちょっと行ってくるわね。もしかしたら帰って来るのが夜になるかもしれないから、ひかりちゃんと舞には申し訳ないけど、学校から帰ってきたら夕飯はコンビニで買ってきて、って言っておいてくれるかしら」

「分かった。いってらっしゃい」

「行ってきます」


 ガシャン、と玄関のドアが閉まり、慌ただしく靴音が遠ざかっていく。

 急に静かになった家で、俺は一人飯を食う。


 ……寂しい。

 やることもない。とりあえず寝るか……。


 俺は弁当を食べ終わると、空になった容器をシンクに持っていく。そして、階段を上がると自分の部屋のドアを開ける。そしてベッドにダイブした。


 おやすみ……。



 次回、2022/06/28 07:00頃投稿予定!

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