広場の時限爆弾
シカタ達が、長老の屋敷で眠っていると、ドゴーン、ドゴーンと音がした。
外に出てみると地上げ屋がいた。
長老「どういうことじゃ。わしは、まだ立ち退き了承にサインしとらんぞ。」
地上げ屋「立ち退き了承することになりますよ。あれを見ればね」
広場を見やると、住民達がロープに吊り下げられて、いた。
ロープの上には時限爆弾がつけられている。
爆弾が破裂するとロープが千切れる。
地面には硫酸の溜まった落とし穴がある。
地上げ屋「立ち退きに了承しないと住民達は溶けてしまいますよ。」
長老「なんということを おまえ それでも人間か?」
地上げ屋「世の中 金なんですよ 人の命なんて安い安い さあ、印鑑を押すんだ!」
長老「仕方ない」
長老は、懐からクロコダイルの印鑑ケースから、2.4cmの横目芯持ち象牙の印鑑を取り出し、明け渡し了承書に押そうとした。
シカタは、長老の腕をつかみ捺印を止めた。
長老「なにを!」
シカタ「外道の言いなりになる必要はない。」
長老「明け渡し了承書に捺印しないと、街の住民が死ぬんじゃぞ」
地上げ屋「そうですよ。住民ども 溶けてしまいます。私としては立退料を払うのが浮くのでそれでもいいんですがね。」
シカタ「お前の目は節穴か よくみろ 住民達なら、こっちにいる。」
地上げ屋「ありゃ!」
いつの間にか、長老の屋敷の玄関に住民が移動していた。
地上げ屋「では、あっちの広場の住民は あれ!? いる。どういうことだ。」
シカタ「幻惑魔法だ うちの魔法使いがあんたに幻惑魔法をかけたんだよ。あっちは偽物だ。」
地上げ屋「ぐぅ 私を舐め腐りやがって 出てこい 土方ヴィラン!」
地中からグオーンという音が聞こえ、土方ヴィランが地面に飛び出した。
土方ヴィラン「社長 こいつらを血祭りにしてやります。」
地上げ屋「おおっ! やれ 私に楯突いた事を後悔させてやれ」
土方ヴィラン「ガッテンでガス」
土方ヴィランは、巨大なドリルで突進してきた。
ロボットが、合金ボディーでドリルを受け止める。
土方ヴィラン「こしゃくな ポンコツボディを解体してやるぜー」
土方ヴィランは、ドリルとロボットが擦れる摩擦熱で、ロボットを溶かそうとした。
ロボット「ガピー!」
ロボットは土方ヴィランを掴んだ。
土方ヴィラン「ぐうぅ 離せ 溶けるー」
土方ヴィランの摩擦熱で高熱になったロボットは、土方ヴィランを溶かした。
地上げ屋「きぃっ!役立たずめ」
シカタ「あとはお前だけだな。」
地上げ屋「ひぃ!」
地上げ屋はテスタロッサで逃げ出した。
シカタ「よし 幻影魔法はもういいぞ」
魔法使いは幻影魔法を解除した。
玄関の住民が姿を消した。
魔法使い「しかし、よくバレなかったね。」
広場の住民は、以前捕まったままだ。
囚人、僧侶、魔法使いは住人の縄をほどく。
魔法使いは時限爆弾を一箇所に集めると、まとめて氷結魔法で凍らせた。
魔法使い「これタイマー解除する方法わからないから冷凍庫に入れて、解凍しないようにね」
と長老に渡した。タイマーは1分を切っていた。
住民達「長老 ありがとうございます。俺たちは地上げ屋の悪事を、議会に報告します。ここにいる全員が目撃者だ。」
長老「おまえたち ありがとう」
長老は涙を流した。
長老「お前達に礼をしよう 装備を整えてやる。」
長老は、街の鍛冶屋に頼み込み、ボロボロになったシカタ達の武器や防具を新調してくれた。
シカタ達は気持ち新たに街を出発した。
シカタが、うちの魔法使いが、地上げ屋にかけたと言った幻惑魔法はブラフさ。
幻影魔法で吊るされた住民の姿形の影だけを長老の屋敷の玄関に移動させたんだ。
少年魔法使いには、幻惑魔法なんて高度な魔法はまだ使えないからね。