シカタ•フォーリング
ヒーロー•シカタは、単身、人身売買のアジトを突き止め組織のボスを追い詰めたがシカタは焦っていた。
シカタの額から脂汗が止まらない。
ボス 「どうした シカタさんよー 妙に焦ってるじゃねえか てめえ まさか 30歳になったんじゃねえか」
まさに、シカタは組織のボスを後一歩まで追い詰めたはいいが30歳になってしまったのだ。
シカタ「フウフウ これが30歳の体か なんて重いんだ」
シカタの動きが鈍った。それだけではない。体に脂肪が溢れ血液も濁り頭痛、目眩が止まらない。
ボス「無様だなあ シカタ これからお前は誰にも愛されず老化が進み肉体の痛みに苦しみ容貌も醜くなり孤独に生きることになる。フハハハハ」
シカタ「愛は人にどう思われるかかじゃない。自分がどう思うかだ。私が30歳を迎えどんな見てくれになろうと、どう蔑まれようと、お前のようなやつから日々を懸命に生きる人の未来を奪わせてなるものか!」
ボス「綺麗事はその辺にしておくんだな どうあがこうと30歳になったお前に俺を捕らえることはできない。ここに人身売買用の女や子どもらを置いていくのはもったいないが、また調達すればいい。」
ボスは脱出用のヘリに乗り、脱出しようとしていた。
プロペラが回り、ヘリが浮き出す。
このままあいつを逃がせば多くの人達が悲しむことになる。
何か策はないか。
シカタはあたりを見回し、ロケットランチャーを見つけた。
シカタはロケットランチャーを肩に担ぎ、ヘリに向かって撃ち込んだ。
ロケットランチャーはヘリに命中し、人身売買のボスは逮捕された。
あとは人質を救出するだけだ。
シカタは、隠し扉を開け、捕らわれていた人質に「もう大丈夫だ 心配することはない。」
人質はシカタを一瞥すると「うわー 30歳のおっさんじゃん キモーい どうせ助けてもらうなら10代、20歳前後のイケメンジャニーズが良かった。30歳のおっさんに助けてもらうなんて死んだ方がマシ」とシカタを罵倒し始めた。
シカタは人質の無事を確認して安堵し、無線で「人質確保しました。あとは警察に任せます。」
と飛び去っていった。
シカタ「これでよかった これであの子の笑顔が守る事ができた」
シカタは夜空を飛んでいた。その両目には涙が光っていた。
読んでいただきありがとうございます。
世間では30歳を越すと肩身が狭い思いをしている方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、このシカタの小説を読んで今一度自分の在り方について見つめ直していただきたいです。
30代には10代、20代のような若々しさ、勢いはないが、渋さ、人間としての機微があるのだと、辛い時はシカタを思い浮かべ、今一度立ち上がっていただければ私としましても嬉しく思います。