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テンプレ回

 帝都に着いた俺たちは、冒険者ギルドへと足を運んだ。

 腰には通販で購入する為に想像した妖刀焔(ようとうほむら)を差し、受付まで足を進める。

 此方を睨みながら酒を煽る筋肉隆々の男達ってテンプレな。


 「こんにちは。ご用件を伺います」

 子供の俺たちにもにっこりと笑顔で対応してくれる。

 「登録をお願いします」

 「君達の年齢だと、冒険者としてやっていけるか仮登録の後に試験を受けてもらいますがよろしいですか?」

 「はい。大丈夫です。カエデも大丈夫?」

 「はいです」

 「わかりました。私はマリエルよ。よろしくね」

 「よろしくお願いします」

 「うん。では私に付いてきて下さい」

 そう言うとマリエルは受付を出て歩き始める。

 

 裏口を出ると訓練場にでた。

 「では、今日の試験官の元A級冒険者ライダルさんです」

 「よろしくお願いします」

 「ああ、その前に冒険者になるなら敬語は止めろ」

 「わかりまし…わかった」

 「わかったで…わかった」

 「よろしい」

 「です」

 「すいません、この子は語尾にですを付ける癖があって。見逃して下さい」

 「すいませんです」

 「わかった」

 「先ずは、この訓練用の武器を手に取れ」

 さまざまな武器が用意されている。

 俺は両手剣、カエデは短剣で試験に挑むことになった。

 

 魔法剣士のスキルを持つ俺は両手剣を振りながら利き手を離し魔法を放つ。

 カエデは狐人族特有の速さ、柔軟さに加えて魔法も放ち戦う。

 

 結果は元A級冒険者に2人とも終始互角以上で渡り合った。

 「合格だ、試験でこんなに追い詰められたのは初めてだ」

 「おめでとうございます」

 「BやC級でもやっていけるだろうが、俺の権限じゃ先ずは1つ上のD級からって事になるな」

 「では、D級冒険者として本登録しましょう」

 「ありがとうございます」

 「いえいえ、ではこれがギルドカードになります。それと、ギルドの規約に付いて話しますね。1つ目は、ギルドカードの不正は死罪となります。2つ目は、人殺し、強盗、窃盗等の重犯罪者は死罪となります。但し、正当防衛又は罪人殺しはその限りではありません。軽犯罪はギルドカード剥奪や一時停止等の処分になります。3つ目は、依頼の失敗は3度までとします。1回目は交換処分となり罰金も発生します。2回目はギルドカードの剥奪処分となりますので気をつけて下さい。以上3つを守ってください」

 「わかりました」

 「わかったです」

 「依頼はそこにある掲示板で選んで持ってきて下さい」

 「はい」


 「カエデ、次は商人ギルドへ行こう」

 「はいです」

 ギルドを出ると、先程から此方を睨んでいた男達5人に囲まれる。

 「よぉお前らガキに何ができるって?」

 「ガハハハ。貴族のガキが権力で合格したんだろ?」

 『まぁなんとテンプレな』

 『うん、テンプレのオンパレード』


 「兄貴、こいつの差してる武器高そうだぜ」

 「おいお前のは魔剣の類いか?」

 「ええ、妖刀です」

 「なら俺によこせ」

 「無理ですね、貴方たちにこれを扱えるとは思えない」

 「まぁいい、お前達から奪えばいい話だ」

 そう言うと大剣を抜き振り抜いた。

 「なにごとですか?」

 マリエルがギルドから飛び出してきた。

 「マリエルさん。これ正当防衛の対象になりますよね?」

 「はい。私が証言したいします」

 俺は刀を抜くと5回振り抜いた。

 「一応、急所は避けてますが血が流れ過ぎれば死にますよ」

 「直ぐに回復術士を呼んできます」

 マリエルはギルドに駆け込むとヒーラーを連れてきて治療させた。


 その後、憲兵に連行され強盗未遂で犯罪奴隷となり鉱山へと送り込まれたそうだ。


 俺は報奨金を受け取ると商業ギルドへと急いだ。

 

 「こんにちは。ご用件を伺います」

 「商業ギルドへの登録をお願いします。それと商品の買取もお願いします」

 「わかりました。先ずは商人としての形態についてお聞きします」

 「そうですね、仕入れた物をギルドで買い取って貰えればありがたいですね」

 「わかりました。では無店舗経営なのでEクラスのギルドカードを作成致します」

 「わかりました」

 「では、カードが出来るまで買取の品を査定させて頂きますね」

 「これです」

 そう言って袋に入った1キロの砂糖と塩、100gづつの香辛料を収納バックから取り出した。

 「こ、これは…少々お待ち下さい。上の者を呼んできます」

 

 しばらく待つと男が入ってくる。

 「副ギルドマスターのナラーです。早速鑑定させて頂きます」

 「はい」

 「これは…これも…なんと言う事だ…まさか。お待たせ致しました。どれも極上の品です。是非お取引させて頂きたいですが…。これは正規の取引で得た物で間違いありませんか?」

 「はい。私は伯爵家の四男です。スキルが商人系の物でして父のつてを頼って取引しております」

 「そうでしたか。お貴族様とは知らずに申し訳ございません」

 「構いません。もう家を出た身ですから」

 「では、砂糖を金貨20枚、塩は銀貨1枚、香辛料は合わせて金貨70枚でいかがでしょう」

 「問題ありませんが高すぎませんか?」

 「そんな事はありません。初めて見る真っ白な砂糖と塩、そして上質な香辛料、全て皇城に卸すと考えれば十分此方も儲けが出ます」

 「そうですか、ではお願いします」

 「ありがとうございます。では少々お待ち下さい」

 しばらくすると袋一杯に入った金貨に銀貨が運ばれてくる。

 「又のお取引お待ちしております」

 お金を収納バックに入れ近くの宿に入った。


 「今日は疲れたね」

 「カエデは早くテントに帰りたいです」

 「あはは。確かに飯は美味しくないしベットも硬いからな」

 「そうです。明日はテントに泊まるです」

 「わかった、明日はギルドの依頼を受けて野営しよう。おやすみ」

 「はいです。おやすみなさいです」

ご覧頂きありがとうございました。

ブックマーク、感想よろしくお願いします。


次回は冒険者ギルドの依頼なのです。

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[一言] これ面白いからはやく続きが読みたい
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