表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私は小さなあなたの手を掴んで。

作者: 七瀬
掲載日:2020/12/04






私には、愛する息子が一人いるわ。

私はシングルマザー。

一人でこの子を育てているの。

私に、夫は要らない。

男なんて! 私に必要ないわ!

今までだって! ロクでもない男ばかりに私は振り回されてきたのよ。

女好きで浮気癖の男や毎日、仕事もせずにお酒ばかり飲んでる男。

働かないで私のお金を目当てにする男もいたわ。

これだけ、男運が悪いと? 他の事でも上手くいかなくなるのよ。

私は、母性本能が他の女性ひとより強いのか?

子供だけは、ちゃんと育てたいとずっと思っていたわ。

だからね? 子供を作る為だけにその日だけの男と何度か寝たわ!

子種が欲しかっただけ! その男に愛情の一欠けらもない!

それなのに、私に付き纏う男もいたのよ!

本当に、ウザイったらありゃしない!

好きでもない、子種もない男なんかに私は興味なんかないわ!

私だって! いつまでも子供が産める体じゃない。

年齢と共に、子供を産めるタイムリミットが近づいていたのよ。





・・・だから、結果的にね!

一回しか会った事がない男とも寝たのに、子供はデキなかった。

どうしても、子供が欲しかった私は、公園のベンチで小さな子供

が遊んでいる姿を目にしたの。

その子の母親は、ママ友との話に相当盛り上がってたみたいでね。

この子の事をちゃんと見てなかったのよ。

だから、小さなこの子の手を掴んで私は連れ去ってしまった。

勿論、良くない事をしてしまったと後で悔もしたわ。

何度も何度も、警察にこの子を連れて行こうともした。

・・・でも、できなかったのよ。

私は、どうしてもこの子の“母親になりたかったから!”

私の手を掴んだこの子の手は、私を必要としていた。

私がこの子を守ってあげないとってあの時の私は直感的に思ったの!





その後は、私は誘拐犯になってしまった。

この子を攫った犯人よ。

それでも、私はひたすらこの子を連れて何処へでも行ったわ!

この子と一緒なら? 何だってできると思ったの。

この子の為なら、私は【犯罪者】でも構わない!

もう、この子無しでは私は生きていけないのよ。

愛する息子の為にも、私は必死でこの子を育てると心に決めた!





・・・最初に会ったあの子は、ニコニコ笑顔で乳母車の中で

私の手をギュッと握ってくれたわ。




そして、あれから10年の月日が過ぎていった。

私とこの子のは、血が繋がった母と息子よりも強い絆で結ばれて

いたのに、、、。

突然! 警察が、家にやって来たのよ。



『警察です! 貴女が正岡 翔君を誘拐した狩野 里琴さんですか?』

『・・・あぁ、ははい、』

『貴女を誘拐の罪で逮捕します!』

『・・・ママ? どうしたの? ママ?』

『大丈夫よ! ママは何処にも行かないから。』

『さあー行くぞ!』

『・・・・・・』

『ママ! 行かないで! ボクを一人にしないで!』

『・・・・・・』





私は遂に、【警察に逮捕された。】

しかも、、、息子の目の前で。

当然だが、私は刑務所に送られ息子は本当のお父さんお母さんの

所に戻される事になったわ。




・・・それでも、息子は?

私に会いに、大人の男性を連れて私の面会に来てくれるようになった。




『・・・げ、元気だったの? ご飯はちゃんと食べてる?』

『・・・ううん。』

『ごめんね、貴方の本当のお父さんやお母さんから貴方を奪った

事は、反省している。だけど、貴方の事を心から本当に愛している

のは本当なのよ!』

『・・・ママ!』

『もう時間だ!』

『・・・ママ! また来るからね!』

『ううん!』




息子は、血の繋がった両親とは上手くいっていないようで、、、。

私が今でも本当の“母親”だと信じているの。

今では、あの子の為に本当によかったのか? 毎日、刑務所の中で

自問自答する日々を過ごしているわ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ