第9話 小さな決意と塵積も
「さぁ、じゃあ開けるよ」
刀袮は、緊張していた。それもしょうが無いだろう。今から会うのは、世界を創ったとされる神の代理、刀袮からしてみれば、まさに神そのものと等しい。
そう思考しているとヤルダバオトが、ドアに手をかけ押す。
ギィィィィィィ
ドアか開くと、そこには見上げるほどの高さの本棚が、壁をおおっている。そして一つの机と椅子そこで、優雅に紅茶だろうか?を飲みながら本を読む一人の男。
「やぁ、ヤルダバオト。そちらの男性は最後の一人かな?」
「はい、代理様、こちらが最後の一人です。それよりも聞いてほしい事がありまして」
「母さ、、、ゲッケイジュ様が裏切りを」
「ん?」
今までは、ポーカフェイスだったその男が、端正な顔立ちの、整った、眉を少し動かす。
「動いたか、しかし何故君は生きているんだ。少年」
刀袮は、急に質問されて驚いた。
「えっ、僕は」
「今なんと?」
突如として、ヤルダバオトが刀袮の話を遮り代理に聞いた。
「ん、まだ気づいていなかったのかヤルダバオト?」
「え、何を?」
「ふふふ、では教えてあげよう。」
代理はにやにやしながら話し始めた。
「ヤルダバオトは気づいていないようだから教えてあげよう始まりを」
「ヤルダバオト、君は今回、何故このゲームが始まったか知っているかい?」
ゲーム?こいつら何言ってんだ?
「確か、、、神様どうしの信者の取り合いとが発端と聞いていますが」
「確かにそうだとも、しかしそんな神たちの喧嘩がここまで大きくなると思うか?」
刀袮は思った、確かにいくら信者が大事かは知らないがそんな事で神は喧嘩なんかするのか?バカすぎるる。
ヤルダバオトは少し思考した後答える。
「確かに、考えれば少し幼稚すぎますね。では何故?」
「単純なことだ、【オリジナル】は、言ったんだよ自分の変わりは他の神から選ぶとね。そしてその審判を私が担っているんだよ。そして、勝った者には【オリジナル】の能力を、与えるとね。」
「それでは、何故貴方は、私を呼んだのですか?」
「ふふふ、君はね。最初の犠牲だよ。」
「ぎっ犠牲、、、はぁっ、まさか」
「気づいたか、この勝負はね皆が見てるんだよ。」
「確かに、私が呼ばれた理由もわかりましたし、皆が戦う理由もわかりました。しかし、、、いや、そうかそうゆうことか」
ヤルダバオトの、頭の中で全てのピースははまり完成する。
するとヤルダバオトは床にへたり込む。
「また僕は、利用されただけ。」
そう言うと、ヤルダバオトは何も語らず、諦めムードで、うっすらと涙を浮かべる。
「おい、ヤルダバオト。俺には何が起きてるかさっぱりわかんねぇ、でもなお前の価値を他の人間に、いや他の神かな?知らねえけど、他のやつに決めさせんな。お前の価値はお前が決めろ」
「ふふふ、もうすぐ消えると言う命なのに、つくづく面白いね人間」
刀袮は、代理とは仲良くなれないと悟った。
「おい、代理。俺はお前に交渉したいと思っている」
そう言うとヤルダバオトが足にしがみつき「もういいよ」と言ってきた。
それに、刀袮は、答えた。
「俺はな、お前のためだけでは動かないぞ。これは俺のためでもあるんだからな」
すると代理は答える。
「いいよいいよ。君は僕に何を提示してくれるのかな?」
「俺の提示するものはな、こいつと俺の命、あとはお前の楽しいって言う感情だよ。」