第4話 裏切り
刀袮の前にいた者は。
「え、だって貴方は」
「か、母さん」
刀袮の前にいたのは、ゲッケイジュだった。刀袮達が驚いていると、ゲッケイジュは油断し切った、甘ったるい声を上げる。
「母さん。そぉね貴方から見れば母さんかもね」
刀袮の、頭は理解できていなかった。刀袮は、ゲッケイジュの事を、信用していた訳ではないが、敵対者だとも思っていなかったからだ。
しかし、理解できていなかったのは、刀袮だけではなかった。そう、一番理解できていなかったのはヤルダバオトその人である。
「貴様ぁぁ。母さんに何をしたぁぁぁあ!!!」
ヤルダバオトは、たかが外れたように、赤甲冑に叫び、殴りかかる。
(どうなっているんだ、ヤルダバオトもはめられたとゆうのか?)
その時、ゲッケイジュは、どこから出したのか握っていた戦斧を刀袮の首に走らせようとした。
(軌道は完璧。楽勝♪ あぁこれであの人に褒めて貰える)
ゲッケイジュは、油断し切っていた事、それが刀袮を救う事になる。
「やめてぇぇぇぇぇ」
そうヤルダバオトは叫び、刀袮の元に走る。
「逃がすかよぉ」
突如として、ヤルダバオトの目の前に現れた赤甲冑がヤルダバオトの進路を断つ。
(やばいやばいやばいもぅこのままじゃぁ、、、俺死ぬ)
刀袮は、人生で二回目の死を覚悟した