5話 親たちの会合
リベル宅 リビング
アカツキが訓練をし始めてから一年がたったある日、ハルとアメはリビングにいた。
「アカツキの訓練を始めてからもう一年か………どうだアメ?アカツキの上達具合は。」
「ハッキリ言って異常だわ。魔力の上昇スピードも、魔法の上達スピードも常人の軽く三倍くらいね。この前も普通の火の玉の十倍の威力の火の玉を放ってたわ。まったく………私の苦労は何だったのかしら。そっちは?」
ちなみにアカツキが放った十倍の火の玉は「空気を吸い寄せながら火の玉を放つイメージを持てばもっと強くなるんじゃね?」という異世界転生によくある展開を繰り広げた結果生まれたもので、これによってアカツキは、原型をとどめたままならスキルなしでも魔法をカスタムできることに気づき、悪い顔をしていた。
「こっちもすごいぞ。最初は訓練内容にヒーヒー言ってたが、一週間程度で慣れて今では、弱気の俺に張り合うくらいの強さを身に付けている。アカツキが十歳になる頃には抜かれるだろうな。異常な成長スピードだ。」
ちなみに子供時代のハルはこの訓練になれるのに1ヶ月かかっている。また弱気のハルは並みの兵士なら手も足もでないくらいの強さだ。つまりアカツキの剣の成長スピードは異常である。
「そう………ここまで来るとアカツキのスキルが何か楽しみで仕方ないわ。どんなスキルなのかしら。」
「多分キングスキルを持ってるだろうな。我が子の成長が楽しみだ!」
「そうね。スッゴク楽しみだわ!」
この世界の普通の親たちなら何かしら不安になるだろうシチュエーションでも、能天気な彼らはただただ我が子の成長を楽しんでいた。