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『俺の妹は、こんなに手がかからない!』  作者: 始まりの彼方
序章
2/9

 第1.5話『妹の代行者?』

「あっ、あのー私は、貴方の妹さんじゃないですよ?」


 想像はしていた。でも、それは望まない答えだ、そんな真剣な顔で同じようなことを、もう3回は言われた気がする。


 つまり、彼女のコスプレが非常に似合うのは、本物のバスガイドだからと言うのか?



 第1話『そっりさん?』ー終ー


「いや!じゃぁ、俺の妹はどこにいるんだよ?」



「おそらくぅ……私と勘違いされたのかはわかりませんが、異世界に行っちゃったんですぅ」



 涙目の彼女いわく、異世界を旅する赤いバスは全員が揃うまで出発しないらしい。当然、乗務員(ガイド)の彼女がいない場合にもそれは例外でなく、こうなってしまった理由は、おそらく彼女と瓜二つの鈴音がそのバスに乗ってしまった事で出発してしたと考えたようだが……鈴音はバスガイドの娘であり、知識もあるためバスに乗り間違えて乗ったとは考えにくい。



 しかし、これが本当なら、学校を休むとは思えない鈴音が学校を休んだことにも納得はいくが、それなら、鈴音は、今……異世界?



「俺の妹は! どうなるんだ!?」



 ローレンシアさんは、また涙目になりすごく悩んでるのがよくわかる。


 そんな悩み方まで、鈴音にそっくりじゃないか……確信した、もう俺はこの子に強く言えない。




「「 ワタシが聞きだいでずっ!! 」」




 ………そうか! この子からしても見ず知らずの世界に取り残されて困っていたのか……これは一方的に質問をしすぎたなぁ。


「ごめんよ、わかったからちょっと落ち着こう。」


(頼むから泣き止んでくれ……)


 全然落ち着いてない俺が、口先だけで鈴音に似た少女を落ち着かせようとしている。

 この説得力のなさは自分でもよくわかっている。



 こう言う時は、戦線離脱すべきだ。とりあえずお客さんに飲み物でも出そうかと、軽く声かけ一階へ退避し、冷蔵庫の空気で深呼吸し冷えた1.5Lの炭酸と2つのコップを持ち、再び鈴音の部屋へと駆け上がった。


 これは……ローレンシアさんからみたら俺が餌で釣ろうとしているように見えていないか?


 「炭酸……飲む?」


 「ありがとうございますぅ」


 いや、餌で釣ろうとしているつもりが微塵もないかと言われればそれは嘘になるか……




 糖分を取って、少し落ち着いたのかローレンシアさんの表情が柔らかくなった。



「あのっ、妹さんは、大丈夫だと思います!」


「そうか、ゆっくりでいいからさ。それは、何でだと思うの?」



「バスガイドのフリをしてるんだと思いまず……だって……人数確認どかっ……しないと……バズは出ないんですもーんっ」



「なるほど、もう泣かないでいいから、そうか……」



 確かに昨日、鈴音はローレンシアさんに似たバスガイドのコスプレをしていた、なんでバスガイドなのか聞いたら、昔、お母さんがバスガイドをしていたからだと言っていた……


 よく考えてみたら、あの歳で鈴音は生活上必要なことはなんでもできてしまうようなヤツだ、違う世界で一人になったとしても生きていけるような気がする。



 そんなバスジャックと言っていいのかはわからないが、犯罪行為をしたのにも何か意味があるはず……



 やはり、目の前にいる少女ローレンシアさんは鈴音じゃない。確かに、そっくりだが鈴音は俺の前でこんなに泣いたりはしない。

 冷静に考えてみると、この世界の鈴音ならこの世界に取り残されたという理由で泣くのも矛盾している。


 俺は鈴音なら一人でも生きて生けると思うが、見る限りこのローレンシアさんは一人で生きていけるタイプじゃない。


 俺の妹は、彼女にとんでもない迷惑をかけている気がする。



「わたじは、どうじたら……いいんでずがっ?」



「詳しいことはわからないけど……妹が帰るまではここに居ていいよ?」



「えっ?」


「あぁ、妹がいないと警察沙汰とかになりかねないからさ、できれば妹が戻るまで、俺の妹になってもらえないかな?」



 自分でもなんでこんな事を言っているのかわからない、あえて、お願いする形に言い換えると、ローレンシアさんは泣きながら俺に飛び付いてきた……そして、今この子が違う世界からきたという、真っ赤な他人だとは何故か思えない気がしている。



「ちよっ…と! そう言うのはいいよ」


「ありがとう」



 我に返り、突き放してるというのに、お礼まで言ってくるとはなんていい子なんだ。



 どうやら、ローレンシアさんはこの世界で他に行くところがなくて困っていたようだ。それに、鈴音の風貌で深夜に外出されても、未成年だと思われ補導されたら婆ちゃんに迷惑がかかるだろうし。ローレンシアさんが鈴音じゃないと言っても誰も信じないだろうから、これは間違った選択ではないだろう。






○ オマケ ○


 ※ これは、案内人ローレンシアによる特設(ネタバレ)コーナーです !




〈 ローレンシアの勝手に世界案内(ワールドガイド) 〉


 ホームシックなんでぇ……私のいた世界の事もちょっとだけお話しますね!


 この世界より高次元にある世界なんですよ!


 『ヴァーフル』って言うんですよ! (ワッフルみたいで可愛(きゃわい)いでしょ?)


 世界と言うものは、自分より優れた世界に干渉されることはあっても、自分より優れた世界を干渉することはできないものなのです。


 これは、私のいた世界の解釈ですから、絶対とは言いませんよ。


 おっと!口が滑るところでしたぁ。



 てへっ! いっちゃいけないこと! いっちゃいそうだったじゃないっ!



 今から私の住んでいた所!つまり禁断の花園の極秘情報をお伝えしますね!



 ヴァーフルのアンダーワールド・第24層域 ベルベット地区のシ……って!


 ここまでに、しときますねっ!




 個人的情報の詮索わっ やめてください! もぅ!





〈 ローレンシアの勝手に人物紹介(プロファイル) 〉



名前   神谷鈴音(かみやすずね) (今は私が鈴音、これは昔の鈴音だからねっ!)



由来   鈴音さんの『鈴』は、お母様の宮子さんが、好きな鈴蘭からその名を付けました。この世界で鈴蘭は『君影草』とも言うんですけど……何か今後の展開に関係あるんですかね! ← フラグ(笑)



生年月日 2007年(平成19年)『亥』5月28日『ふたご座』 (満)16歳



身長   154cm  (私より小さいんじゃないかな?)



体重   45kg  (あらっ3か月前の身体測定の結果、公開しちゃったっ!)



BWH  78 58 84  (なかなかのフォルムね!私には負けるけど!)



服    みんなMでした。 (もしかしてMなんですかね!)



ズボン  スカートならあるんですけど7号?なんかよくわかりません。ジャージかスエットしかありませんね……サイズはSでした。 (Sの一面もあるみたいですっ!)



靴    23cm (私と一緒でよかったです!)



ブラっ  Bカップですね! B65でした((爆)) これは、ここだけのひみつにしてくださいね!BWHから考えるに、トップ78のアンダー65ですねっ!ニヤニヤ……なるほどっ……


 

ショーっ Sでした。ちなみに私がお気に入りなのは、緑の横縞(ボーダー)パンツ!コスプレ用ですかね?かっわいーい!



座右の銘 『コスプレ大好き』とかじゃないですかね!?(笑)



長所   お兄ちゃんいわくしっかり者です!



短所   猪突猛進で、急カーブできないことですね! 前はみて歩こうね。



特技   商売・狩猟・家事 ← お兄ちゃんよりすごいスキル使いだったんですか!ゾクッ!



メモ   この子がみーんな悪いんですよー!まぁ私に似てるって事は世間一般的には可愛い部類ですから! チヤホヤされてたんでしょうけどっ!私は騙されませんからねっ!キラッ


 ブラはちょっと締め付け感あったんでぇ……アダ名は『童顔微乳(ろりぺちゃ)』です!


 まぁ、今回の個人情報暴露に免じて、ゆるしてあげましょう!




 いじょう!かなり踏みきったネタバレ暴露ツアーでした! 



 情報の丸見えはどんな味でしたか?



 ごあんない下手でしたか? ウルウル……



 カバネヤマ観光 新入社員 境界先案内人(ワールドガイド) ローレンシア・ジュリエット・ラナ・シスターが心を込めて、御送りしました!



 カバネヤマ観光で、鈴音(ろりっぺ)ちゃんはちゃんと職務を果たしてくれてるのかなぁー 心配だにゃー。



 またねっ!



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