ほよほよさん ハルをさがしにいく 2
ほよほよさんは
たんぼのあぜみちを
とっとこ とっとこ
あるいています
たんぼのあぜみちに たしか
スミレさんがいるからです
とっとこ ひょい
とっとこ ひょい
すこしあるいては のぞくのですが
まだまだ スミレさんはいないみたい
とっとこ ひょい
とっとこ ひょい
あっ あった!
スミレさんが いちりん
そっとさいていました
ほよほよさんが
ぱっとつもうとしたとき
タキばーちゃんのことばが
はるかぜにのって とどきました
「そのスミレは一つかい?」
ほよほよさんは
ぱっとまわりをみわたしました
スミレさんは
一つしかありません
ほよほよさんが うなずくと
また タキばーちゃんのことばが
はるかぜとともに とどきます
「じゃあ、そのままにしておいで。今摘んだら絶えてしまうからね」
でも と ほよほよさんは
はるかぜにむかって いいます
タキばーちゃんに あげたいの
はるかぜは ふわりふわりと
ほよほよさんのまわりをまわって
そよりとほほをなでると
さっていきました
ほよほよさんは
しばらくスミレさんを
みつめていました
そして そっとはなびらをなでると
ほよほよとあるいていきました
ジスウさん
でばんがあったので
一回休み
ジスウ「へぇい?! そんなしばりあんのかいぃ? たまんねぇなぁ……」
????「くすくすくす」
ジスウ「へ……ま、まさかそのこえは……」