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才色兼備の少女が隣の家に引っ越してきたんだが  作者: 江谷伊月
第二章.凡人と天才の憂鬱
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24.デート(前編)。プレゼント選び

 気まずい雰囲気の中歩いて俺たちがやってきたのは、有名なディスカウントストアだった。


「おい葵、ここになんか用があるのか?」


「うん! もうすぐスズの誕生日だから、プレゼントを買ってあげるのよー」


 なるほど、だからいろんな種類のものがあるこの店に来たのか。葵はとことん姫宮さんと仲が良いな。去年も何かプレゼントしてた気がする。


「お、そうだったっけ。お前って結構優しいところあるよな」


 そういうところは、素直にこいつの魅力だと思う。


「そ、そう? あ、いや当たり前よ!」


「自分で言うなよ」


 顔を赤くして虚勢を張る葵。素直にお礼も言えないのかこいつは。


「折角だし、俺も何かプレゼント買おうかな」


「え、あんたも買うの!?」


「え、悪いか? 一緒に来たのに俺だけ買わないっていうのは気が引けるし」


 予想外に葵が驚く。そんなに意外か?


「いや、悪いとは言ってないわよ……」


「そうか。なら買っていくことにするよ」


「(むー、零人からのプレゼントなんてあの娘、絶対喜ぶだろうな~……。いーなー……)」


「ん、どうした?」


「な、なんでもない!」


 一瞬、膨れっ面をしていた気がしたんだけど。今日の葵はなんか挙動不審だ。



―――――――――――――――





「ところで葵、姫宮さんの好きそうなものってなんかないのか?」


「え、うーん……。好きそうなもの、ね」


 顎に手を当てて考える葵。数秒思考してから顔をあげた。


「お、何か思い付いたか」


「うん、あれなんてどうかしらー?」


 葵が指差すその先を見るとそこには……ゴリラの被り物。


「いや明らかにパーティーグッズじゃねーか!」


 素敵な誕生日にゴリラをプレゼントされた、姫宮さんの困惑した姿が鮮明に浮かんだ。


「じゃああんたがそれ被って何かプレゼントしに行きなさいよ」


「なるほど。君は俺に不審者になれと言いたいのか?」


 この格好で学校に行った日には、俺はゴリラのコスプレをした不審者として、皆から怪奇の目で見られてしまうことだろう。


 ……そうなったら瞬く間に鬼山に捕まって殺されてしまう。葵はどういう意図をもってこれをチョイスしたというんだ。


「冗談よ。いくらなんでもそれじゃスズが可哀想だわ」


「うん、俺も可哀想だよね?」


「うーん、他にあの娘の好きそうなものは……」


「無視かよ。もういいや、次はちゃんとしたのを教えてくれよ?」


「ん、分かってるわよ。あれなんてどう?」


 また葵の指差す方向を見るとそこには……フリフリのメイド服(コスプレ用)が。


「いや完全にセクハラじゃねーか! しかもそれだと俺が姫宮さんに着てほしいみたいになるだろ!!」


 見てみたい気持ちもほんのちょっとだけあるのは確かだが、友達にメイド服を着せるなんて変態行為は俺にはできない。


「え、スズに着せる気? うわ、あんた変態ね」


「そんなこと言ってないわ! てかお前が選んだんだろ!」


 メイド服をプレゼントにチョイスする人に変態扱いされるなんて心外だ!


「じゃああんたがそれ着て何かプレゼントしに行きなさいよ」


「自分が着るのかよ! マジもんのド変態じゃねーか!」


 メイド姿(男性)に何をプレゼントされたところで、それはプレゼントではなく不審物だ。


「ならゴリラも被る? 結構似合うと思うわよー?(ニヤニヤ)」


「似合ってたまるかぁぁぁぁ!!」


 メイド姿のゴリラなんて誰が似合うというんだ。てか似合うってなんだよ。


「あははっ! うそうそ、ちゃんと探しにいきましょ!」


「おう……。最初からそう言えよな……」


 くそ、今までのこれは何のやりとりだったというんだ……。まぁ葵のやつ、めちゃめちゃ楽しそうだしいいか。



 なんやかんやで結局プレゼントは、葵がリップスティックと化粧水、俺が可愛いキャラクターのキーホルダーを買ったとさ。ゴリラ(&メイド服)は武志にでも買ってやることとしよう。


 ちょっと急いで書いたので、少しおかしいところや誤字があったしれません。発見次第、後でそれは直すつもりですが、気づいたら遠慮なく指摘ください。感想などもぜひ。


 

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