23.待ち合わせ。ドキドキな二人?
鬼山との話が終わり、いよいよ週末。いや、まさか園神と課外活動をすることになるとは……。さすがに驚いた。
園神も進路希望調査の紙を提出していないなんて、意外だったな。なんでもできそうだから、それこそいろんな選択肢があるだろうに。
鬼山も理由は分からないって言ってたし、真相は本人に聞くしかないってことか。多分教えてくれないだろうけどね。
そんなことより、今日は日曜日。葵と買い物に行く予定の日だ。そして俺は今駅前にてそいつを待っている状態だ。
課外活動の件は後回しにして、今は買い物を楽しむするか! まあ荷物持ちにされるだろうから大変かもしれないけど。それはもう覚悟済みだ。
「お、あんた早いわね! 待ったー?」
「いや、俺も今来たところだ」
お、来た来た。実は30分前から待っていたが、言わないでおく。そもそも葵も集合時間には間に合ってるし、俺が早く来すぎただけだからな。
「(こういう会話、デートみたい……)」
「どうした、急にニヤニヤして?」
「し、失礼ね、なんでもないわよ! ほら、さっさと行くわよ!」
「お、おう」
なんだよ葵のやつ……。なにかよからぬことを考えているんじゃないだろうな?
そんなことを考えつつも、俺は葵についていく。
「ふふ~ん♪」
ふと横を見ると、葵が機嫌良さそうに歩いていた。……改めて見ると葵ってやっぱ可愛いよな。顔も整ってるし、スタイルもいいし。しかもなんか今日はやけに綺麗な服を着ているから、いつもより増して魅力的だ。
「ん、なによ。人のことじーっとみて。なんかついてるかしら?」
おっと。少し見すぎてしまったせいか、見ているのが葵にバレてしまった。なんか恥ずかしいな。
「いや、そのーなんだ。お前ってやっぱ可愛いよなって思って」
「は、はぁ!? 急に何いってんのよ!」
葵の顔がボンっと赤くなる。
うわ、やっぱ恥ずかしい!! 俺はいったい何を言ってるんだ!
幼馴染みだから言っても平気かなーとか思ったけどやっぱ恥ずかしいものは恥ずかしい……!
いくら仲が良くても、やっぱりこいつもちゃんとした女の子だ。ちょっと意識してしまう。
「い、いや、すまん! 急に変なこといって!」
「い、いいけど。もう、びっくりしたじゃない……」
顔を赤くしたまま、恥ずかしそうにしている葵。やばい、なんでかは分からないけど、見ててめっちゃドキドキする!
しかも二人で買い物って、端から見たらデートなんじゃないか!? そう思うと死ぬほど緊張してきた!
……いや、落ち着け零人、こいつは単なる幼馴染みだぞ。余計なことは考えないようにするんだ。よし、深呼吸。すー、はー……。
俺は心のなかで念仏を唱えながらなんとか冷静さ保ちつつ、目的地に向かって歩き続けた。
「(どうしよう、可愛いって言われちゃった……。ドキドキしすぎて死んじゃうよ……!)」
そっと葵の方を見てみると、まだ頬がほんのり赤い。そんなに恥ずかしかったのか……。幼馴染みだからって、あんまり不用意な言葉は言わない方がいいな。
「(それに、これってやっぱデートよね……。自分で誘っといてあれだけど、緊張する……。こいつも緊張とかするのかな?)」
「ん、何か言ったか?」
「え? な、なにも言ってなんかないわよ!」
ボソボソと葵が何か呟いていた気がしたが、気のせいか?
長くなりそうなので一旦分けました。文章短くてすみません。次回はちゃんとデート(?)に入ります。
それにしても鈍感な主人公。テンプレすぎるでしょうか。悩み所です。




