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才色兼備の少女が隣の家に引っ越してきたんだが  作者: 江谷伊月
第二章.凡人と天才の憂鬱
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20.憂鬱。複雑な零人、心配する鬼山

今回短いです。本当にすみません。どうしても分けて書きたかったので。

 昼休み。皆が昼食を食らっている頃。


 俺と武志は生徒指導室に連行され、「恐怖! とある鬼による説教 ~地獄編~」を食らっていた。


 そして昼休みが終わる直前、本当に地獄のような説教がようやく終わりの兆しをみせる。


「お前達、今私が言ったことをしっかり己の身に刻んで、社会の礼儀というものを覚えろ。分かったな?」


「「かしこまりました」」


「まぁ言っても無駄かもしれんがな……。今後、くれぐれも問題を起こさないように。それじゃあ、教室に戻っていいぞ」


 そういって鬼山は盛大なため息をつく。いままで何度も俺達を叱っているのに学ばない様子をみて呆れているのだろうか。


 くそ……。俺はわざと問題を起こしているつもりはないのに……。


「あ、そういえば」


 ふと思い出す。鬼山は何か俺に用があるみたいなこと言ってなかったか?


「鬼山先生。俺に用事ってなんですか?」


「ん? あぁ、そうだった。お前らにくだらない説教したせいで忘れていた」


 くだらないって……。だいたい先生が落ち着いて物を食べていれば事を起こさずに済んだというのに。ひどい言われようだ。



「高崎。進路希望調査の締め切り今朝までだが、お前出してないだろ」



 ……あぁ。進路希望の話か。


 怒られて憂鬱だった心が更に憂鬱になる。


「これは進路関係の物だ。早く出してくれないとこっちもいろいろ困るんだよ」


 分かっている。進路が決まっていればとっくに提出している。


 何も書くことがなくて、白紙のままで出すわけにもいかないから提出できないんだ。


「……すみません。善処します」


 そうは言ったものの、沈んだ感情が表に出てしまったのか、あからさまに声のトーンが低くなっていた。


「……何か困ってるなら相談にのるぞ?」


 俺の様子をみて何かを察したのか、鬼山が気遣ってくれる。


「いえ、大丈夫です。次の授業まで時間がないので、この辺で失礼します。すみません」


「そうか……」


 早くこの話題を終わらせたかった俺は、つい鬼山に冷たくあたってしまう。


「行くぞ、武志」


「お、おう」


 そして、武志と共に生徒指導室を後にした。



 ドアを閉じる際に、一瞬鬼山の心配そうな顔が見える。


 鬼山はこんな問題児にも本気で心配してくれているのか。

 

 そんな先生の優しい一面が垣間見えたと同時に、



 ――――心がズキッと痛み、激しい自己嫌悪が俺を襲った。




そういえばTwitter始めました。よかったらフォロー、感想、意見、アドバイスなどお願いします。


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