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才色兼備の少女が隣の家に引っ越してきたんだが  作者: 江谷伊月
第一章.二つの始まり
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17.警泥終了後①。命令実施と解散

 警泥は警察チームの勝利で幕をとじた。


「零人、なんでお前さっきから膝プルプルさせてんだ?」


「気にしないでくれ」


 ようやく引いてきたが、まだ例の痛みがこみ上げてくる。なんとか立っているが、まだ足元がおぼつかないようだ。


「とにかく、私たちの勝利ね」


「くそ。約束通り一つ言うことを聞くが、一人ひとつな。同じ人に二つ以上は無しだぞ」


「そうね。それがいいとおもうわ」


 こうして、それぞれ命令が課せられていった。


 内容は、園神は美奈に連絡先の交換を要求、桃は姫宮さんに勉強を教えて欲しいなど。


 このような些細な命令の中、駿樹は武志に聖典購入の要求と、なかなかに厳しいものもあった。


 因みに俺への命令はというと……。


「れ、零人……!」


「……どうした?」


 葵が目の前に来る。もう機嫌が悪い様子はだいぶ無くなったが、さて、どうな命令をされるのか、少し身構える。


「め、命令よ! 今度の日曜日、わ、私に付き合いなさい!」


「え?」


 予想と違い、酷いものではなかった。


「それだけでいいのか?」


「も、もちろん、何か奢ってもらうわ!」


「マジか……!」


 うう、あまり金は使いたくないんだけどな。仕方ない、負けは負けだからな……。


「分かったよ。今度の日曜日だな?」


「……! うん!」


 葵の顔がパァッと輝く。さっきまで怒ってたのが嘘みたいだ。


 そんな葵を見て、思わず可愛いと思ってしまった。……先程あんな目に合わされたというのに。


 やがて解散の時間となる。すると、駿樹と武志がこちらに近づいてきた。


「零人、お前も一緒に聖典買いに行くか……?」


「行かねーよ。このまま帰る」


「そうか……。じゃあ意欲ある者同士で行くか、武志」


「いや僕だって行きたくないんだけど……」


「命令は命令だ……」


「くっそ~、宝物を失った上にこの仕打ちかよ……。またね皆~……」


「またな……」


 二人は聖典を買いに去っていった。


「じゃあ桃ちゃん、今から勉強会にしますか?」


「うん! いいよ~! まだ時間あるしね!」


「お! 私も参加する!」


 姫宮さん、桃、葵の三人も今後の予定が決まったようだ。


「それじゃあ、さようなら! 今日は楽しかったです~」


「僕も~! じゃあね、零人君たち!」


「じゃあねー! ……零人、約束忘れないでよ?」


「おう。三人ともまたなー」


 三人も行ってしまい、残りは俺、美奈、園神だけとなる。


「……おい園神、お前も勉強会行かなくてよかったのか?」


「ええ。……今日はもう疲れたから」


「そうか。じゃあ一緒に帰るか? 美奈もいるし」


「………はぁ、仕方ないわね。一緒に帰ってあげるわ」


「何でそんな上からなんだよ……」


 俺は露骨に嫌そうにしながらさらに上から物を言う園神に若干イラッと来たが、相手も了承したので三人で一緒に帰宅することとした。






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