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才色兼備の少女が隣の家に引っ越してきたんだが  作者: 江谷伊月
第一章.二つの始まり
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15.警泥。皆で遊ぼう(中編4)

クオリティが...

 警泥も残り時間が半分を過ぎた頃。仲間の協力により復活を果たした俺は…


「待てこの野郎ぉぉぉぉ!」


「うわぁぁぁぁぁ!」


 全力疾走で仲間(武志)を追っていた。


「いつの間に復活してたの!?」


「たったさっきだよ……! 心優しい仲間達が救出してくれだんだ!」


 やり方は手厳しいものであったが。


「へー、それはよかったじゃないか!! 喜ばしいね!」


「ああ。だが捕まったとき非常に喜ばしくない事を耳にしたんだよ……!」


「そ、そーなんだ! どんなことだい?」


「それはさっきいったはず。貴様が俺を生け贄にしたということだ……!」


 俺の中の殺意がみなぎったおかげか、走るスピードが上がる。


「うおお、僕が悪かったです! でも何でそんな怒ってんだよー!?」


「お前のせいで俺の聖典が駿樹の手に渡ってしまったんだ……。あの変態の手に渡ってしまった以上もう返ってこないことは確実として、さらに誤って情報が流出してしまう恐れもある……。そうなれば俺の社会的地位が奈落の底へと下落してしまう……!」


「いやどうしてそうなったんだよ!?」


 それは訳がわからんといった感じでさげぶ武志。分かんなくてもこうなった元凶は貴様なんだ……! 絶対に許さん!


「とにかく、俺が捕まらなければこんなことにはならなかったんだ!(ダダッ!)」


「待って! 君は泥棒が泥棒を追いかけているという異例をおかしいと思わないのかい!?」


「黙れ、今の俺は泥棒を捕まえる万引きGメンだ……!」


「そんな役職ねぇよ!!」


 すると、武志が急に止まる。


「よしわかった……。それならバトルしよう」


「どんなバトルだ?」


 武志に合わせて俺も止まる。


「勿論ガチバトル(拳で)だ! どっちかが降参したら負けだ!」


 ガチバトルか。おもしろい。


「いいだろう。受けてたつ」


「へへっ、ついに長年にも渡るお前との決着がつくときがきたな」


「そんなものはどうでもいいが、少しお仕置きだ」


 両者構えをとる。


「フッ……。地球の裏側、オーストラリアまで沈めてやるぜ!」


「……いい度胸だ武志。だがひとついいことを教えてやる」


「なんだよ?」


「……地球の裏側は、一般的にはブラジルなんだ」


「……………へ?」


 恐らくだが、世界地図でオーストラリアは日本の下に位置しているため、地球の裏側だと勘違いしてしまったのだろう。小学生にありがちな間違いだ。


 それともこいつは地球を四角形か何かだと思っているのだろうか?


「う、嘘をつけ! 僕を惑わそうったってそうはいかないぞ!」


「こんなことで惑わされるお前がおかしいんだよ……」


 はあ。なんかもう萎えてお仕置きする気すら起きなくなってきた……。


「って、あ……!」


 また武志と絡んでいるうちに、向こうに人が現れる。


「いた! って零人もいる!? なんで!?」


 しまった。今度は葵に見つかってしまった!


「ヤバイ! 零人、とにかく逃げるよ!」


「捕まったんじゃなかったっけ? まぁいいわ、とにかく逃がさないわよ!」


 葵が追ってくる。とにかく逃げるか!


 って、葵のやつ、何か俺の方をめがけて走ってきている? 体と顔の向きも完全にこっちを向いているが、さすがに俺一人だけを集中狙いするなんてことはないはず。……いや、俺の方が比較的遅いから狙う気か?


 とにかくどうしよう。……といってもすぐには作戦が浮かばない。


 仕方ない、走りながら考えるか。あまり時間はないから早めに考えないと……!


「おい武志、今度は裏切るなよ?」


「わかってるって! それよりどうするんだよ!」


「いや、まだ俺も何も浮かんでないんだよ!」


 しかしまずいな。俺たち二人ともさっきまで走っていたせいか体力があまり残っていない。息が上がってきて、体がだるくなってくる。


 スピードも次第に落ちてくる。一方葵の方はまだ体力にゆとりがあるようで、どんどん差を縮めてくる。


「くそ、園神も速かったが、やはり葵のやつも結構速いな!」


「あぁ、ほんとに―――」


 あ。武志が地雷踏む予感。


「男みたいなやつだよな!」


「何ですって……?」


 よかった。今度は捕まらずに済みそうだ。


 葵は、男みたいと言われるのを凄く嫌っている。理由は……。まあそのうち話そう。


「その言葉を発したこと、後悔させてやるわ……!!」


「しまった!!」


 武志もこの事を知っているはず。なのにどうして言ってしまうのだろうか。素直にも程がある。


 葵は完全に武志にターゲットを変え、先程よりもスピードをさらにあげる。これは、体力があまり残っていない武志では振り切ることは難しいだろう。


「武志……。じゃあな、冥福を祈ってるぜ」


「いや多分死にませんけど!? どうして死亡する前提なんだよ! てか助けて!」


「……」


「そこ無視するとこじゃないだろぉ!? って、ちょ、待って!」


 葵が男みたいと言われるのを嫌いなレベルは、想像以上に高い。恐らく何かしら罰は下るだろう。


 俺は方向転換して武志と真逆の方向に進む。さらばだ武志。お前の犠牲は無駄にはしない。


 武志も俺を追おうとするが、すでに葵はすぐ近くまで来ていた。そして。


「捕まえたわ……」


「いやぁぁぁぁぁぁ!」


 武志はついに捕まった。がっちり腕を捕まれている。


「フフ……。罪人には刑を科せなければならないわね……!」


「あの、葵さん? 泥棒というのはあくまで役職であって、僕が本当に窃盗を犯したというわけでは……」


「殴られるか、頭にガムテープを張り付けられるか……。どっちか選びなさい」


「後者も地味に嫌だあ!!」


「そう……。なら前者ね」


「待って!? 今のは前者ならいいってことではな……」


「問答無用!」


 バキッ!


「あびしっ!! ……うおおおぉ!? 頬が! 頬に熟練のボクサーに殴られたような重い衝撃がぁぁ!」


 うわぁ、今の音は痛そうだな……。てか武志、ボクサーに殴られたことがあるのか?


 まぁいいか。捕まってもいけないし、取り敢えず逃げよう。武志には悪いが。


 かくして武志は捕まり、時間もどんどん経っていった。


次回で警泥は終わりですね。やっとです。


クオリティが低い?...分かってます。すみません。少しずつでも改善したいと思います。


感想、アドバイス等ございましたら、ぜひお願いします。参考にしますので。

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