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才色兼備の少女が隣の家に引っ越してきたんだが  作者: 江谷伊月
第一章.二つの始まり
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14.警泥。皆で遊ぼう(中編3)

零人サイドからです。


誤字脱字などありましたら指摘ください。

 開始から15分ぐらいたった。


 檻では、駿樹と話すことくらいしかやることがない。


「そろそろ、制限時間半分くらいたったか?」


「そうだな……。だが、捕まったのは未だに零人だけ……。まあ、まだ焦らなくても大丈夫か……?」


 俺以外の泥棒は頑張っているようだ。このまま捕まらないで逃げ切ってほしいな。と思っていると、近くから何やら足音が聞こえた。


 タタタッ……


 よく耳をすましてみる。……なるほど、左の方から足音が聞こえるみたいだ。駿樹も聞こえたようで、音の方向を目線をやって警戒する。


 あれは……美奈?


 俺を救出しに来てくれたのか? もしそうなら嬉しいが、失敗するリスクもある。気持ちはありがたいけど、あまり無理しなくてもいいんだぞ……?


 美奈は駿樹から10メートルくらいの距離をとり、檻(昇降口)の正面あたりに向かう。対して駿樹は警戒こそするが動かない。


 囮の可能性を考えてか、確実に俺の救出を阻止するためのどちらか、というか両方だろう。


 すると、美奈は何か物体を地面に置いて先程よりも距離をとる。あれはなんだ……? 本のような形、何かの雑誌か?


「っ!! あれは……!」


 突然駿樹が激しく反応する。そして瞬く間に、檻から離れるように前方へダッシュしていった。一体何が起こったんだ……!?


 駿樹はその雑誌のようなものを手に取り、カッと目を見開く。なにやら衝撃的なものを目にしたらしい………ってあれは!!!


「これは……! 俺もまだ手に入れていない品物、『THE.豊満ボディ! 二つの巨n」


「ちょっと待ってええええええ!!!!???」


 俺の秘蔵コレクションが何故ここに!!??


「美奈! どうやってそれを見つけたんだ!? ていうか何のために持ってきたんだよ!!?」


「兄ぃの部屋のタンスの裏で見つけた」


 何の用があって兄の部屋のそんなところを見ているんだ! まさか確信犯か……?


「ていうか俺の部屋勝手に入ってたのか!?」


「うん。これ見つけたから、何か需要あるかなって持ってきた……」


「需要あるわけないでしょ!?」


 警泥のどこに聖典(エロ本)の需要なんてあるんだ。普通はお荷物以外の何でもない。


「でもほら、有効活用できた」


「活用の仕方が特殊すぎるだろ!」


 それにしても、聖典を敵をおびき寄せる罠として使用するなんて、まだJCである妹の思考回路が心配だ。


「零人……」


 今度は駿樹に声をかけられる。駿樹はすでに聖典の中身を読んでいた。そして一言。


「やるな……!」


「うるせぇよ!!」


 こんなことで尊敬の眼差しを向けられても、何も嬉しくない。


「兄ぃのエッチ……」


「今言うこと!?」


 物凄いタイムラグだ。それにしても、面と向かって妹に変態扱いされるのって、こんなに傷つくものなんだなあ……。


「ああ、本当に零人はエッチな子だな……」


「お前にだけは言われたくねーわ!! てか言い方キモいわ!!」


 あまりの気持ち悪さに身を震わせる。男にエッチとか言われても寒気がするだけだった。


 とにかく、早く回収しなければ! このままじゃ、俺は変態扱いされてしまう!


 俺が回収に向かおうとすると、今度は姫宮さんが現れた。彼女は走って近づいてくると、俺の腕を掴んで引っ張っていこうとする。


「さあ高崎くん、いまのうちですよ! こっちに来てください!」


「待って! 今俺は今後の生活に関わる非常に大事な使命を果たさなくてはならないんだ! だから離してくれない!?」


「ダメです、早く逃げないと! 時間がないですからー!」


「そうだよ兄ぃ、逃げないと」


「美奈まで!?」


 美奈も参戦し、逆の腕を捕まれ、二人に引っ張られる。


 くそ、何故か二人とも結構力が強い! かといって乱暴に引き剥がすわけにもいかないし、どうしようもない!


「くそ、俺の聖典と社会的信用がああああ!!!」


 俺の叫びは無情にも空にこだまし、二人に引っ張られて檻から脱出するのだった。


 こんな救出のされ方、嫌だ……。





―――――――――――――




 檻からの脱出後。相変わらず俺は二人に引っ張られていた。


「二人とも、もう腕離していいよ。自分で走るから」


「え? ひゃあっ!?」


 突然姫宮さんが悲鳴(?)をあげる。どうしたんだ?


「どうしたの?」


「いや、なんでもないです……」


 とは言うものの、姫宮さんは何だかもじもじしていた。


(腕……。触っちゃいました……)


「姫宮さん? やっぱ何か言った?」


「い、いえいえ、なにも!」


 何だろう、少し挙動不審だ。でもいっか。本人が何でもないって言ってるし。


「で。これからどうするの、兄ぃ」


「え? あ、そっか。まだ逃げないとだな。どうしようか……」


 まずはメンバー確認。俺が救出されたので泥棒チームは残り四人全員になる。さて、何をするべきか。って……。あっそうだ! 四人ってことは武志のやつもどこかにいるはず!


 考えてみれば、俺がこんな目にあった元凶は武志だ。見つけたらちょっぴりお仕置きをしておかないとな……。


 すると、ちょうど武志を目撃する。まだ俺たちに気づいていないようだ。


 よし、少しお仕置きタイムだ。


「兄ぃ……?」


「悪い、俺はちょっと用ができた。二人とも。俺は離れるから、無事に逃げきってくれよ」


「え? あ、はい」


 俺はそれだけを伝えると、武志の所へ向かう。


 ある程度近づくと、武志がこちらに気付いた。よし。今こそ、この親友に思いを告げる時が来た!


「よくも俺を売りやがってこの野郎おおお!!!」


「へっ!? うわあああああ!?」


読んでいただきありがとうございます。今回は文字数も少ない上、ギャグ(のつもり)の方もいつも以上に微妙だったと思います...

作者の無能ぶりがでますが、次は(も?)がんばりますので今後もよろしくお願いします。


4とあとひとつで警泥はおわる予定です。(ほんと長い...かも)長文すみません。

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