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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
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第24話 大陸各国の動勢

 オサムはふと、この世界がどうなっているのかが気になった。

 『普通のMMORPGだと世界は平坦で果てがあるよな?ここはどうなってる?』

 気になったらオサムは止まらない。


 家令のハロルドやクイード達、ロウやジャグアに「ちょっと世界の果てまで行ってくる」

 そう言って飛び出した。


 グレートドラゴンに乗ってまずは南の大陸からだ。

 どんどん南に進むと見えてきた。

 大体の大きさはロムドール大陸の半分以下というところだった。


 更に南に行くと南東の方に大陸があるのが見えた。

 海岸線に沿って1周したが、ロムドールより大きい。


 更に東へ進路を取ると今度は南北に長い大陸が見えた。

 その大陸の南端は前の大陸と近かった。


 更に東へ飛ぶとロムドールの南の大陸が見えた。

 

 「球体だな、上空から見ても水平線は地球と同じだし。」

 オサムはこれが星であることが分かった。


 一度帝都に帰り大体の図を書くと、そのまままた北へ飛んだ。

 海がずっと続き、ロムドール南の大陸が見えた。

 「やっぱ球体で間違いねーな。しかしあと3つも大陸があるのかぁ、どうすっかねぇ」

 オサムの冒険心が疼き出した。


 地球儀のような物を作らせ、大体の大陸の形と場所を書き込んだ。

 「こうやって見るとロムドールは小さいな、いや小さくはないけど、大きくもないな」


 オサムはどうしようもなく暇になった時に調査しようと考えていた。

 帰ってきた時にわかったのだが、どうやらムールラントがグレイスに接触してきたらしい。


 「南の大国ついに動く、かぁ」オサムはまだ答えを出していなかった。

 

 国境不可侵となるか、戦うか、使者は何も言わず挨拶に来ただけだった。

 「ムールラントが内乱を鎮め、一つの国になった。」それだけだ。

 敵意とも取れるし、そうではないとも取れる。


 オサムは造船所を大きくし、400メルト級の船を作れるようにした。

 ムールラントが海軍を持っていてもグレートドラゴンのブレスで焼けるが、海軍を作るか思案していた。


 そしてジャグアやロウ、クイード達に警戒しておくよう伝えて待った。

 内乱が治まったということはまだ国内は緊張状態だろう。

 ルアムールや山脈を超えて北の砂漠地帯、南北ミトワを攻めることは出来ないはずだ。


 ただ、ムールラントの将軍の中にロードナイト以上の者が多数居れば話は変わってくる。

 一人で一軍に匹敵することはオサム自身がよく知っていた。


 ムールラントの皇帝に会っておくか。とオサムは儀礼用の甲冑で出かけた。

 ただし、剣は装飾された大剣だ。



 ムールラントの帝都に付くとオサムは城塞の門の衛兵に話を通すように頼んだ。

 すぐにオサムは通され、正面に見える宮殿へ歩いていった。

 途中、店や民を見ると皆楽しそうにしていた。

 『んー、これは期待出来るかもなぁ会ってみないとわかんないけど』

 オサムは考えながら宮殿に向かった。


 門に到着するとすぐに通された。

 そして皇帝の部屋まで案内されると

 「遠路はるばるよくぞいらっしゃいました、グレイス皇帝陛下」

 ムールラントの皇帝にすぐ会えた。


 「それにしても単身で来られるとは噂通りの豪気なお方のようですな」

 皇帝は椅子から立ち上がり「こちらへどうぞ」と隣の部屋に案内された。


 「今日はどういったご用件で?大体は想像が付きますが」

 ムールラント皇帝は微笑んで言った。


 「正直に言いましょう。ムールラントはこれ以上版図を拡大しません」

 「恐らくその件でしょう?」皇帝はオサムの聞きたいことが分かったようだった。


 「そうです、それを確かめに来ました。我が帝国も貴国と争う意志はありませぬゆえ。」

 オサムは正直に言ったが、ジャグアの国は西の防備を固めている。


 「グレイス皇帝陛下のお噂は色々と聞いております。戦を嫌うとか城を切り崩すとか」

 「そのようなお方の治める国に手出しは出来ませぬゆえ安心してください」

 ムールラント皇帝は騎士の80レベルだった。

 「しばらくは内政に専念したく思っておりますので」と続けた。


 「それでしたらいずれ国境の不可侵条約を結びましょう。」

 そうオサムが言うと


 「こちらからお願いしたいくらいです。是非」

 皇帝は乗り気のようだった。


 「では正式な文書を作成しますので、またこちらに伺ってもよろしいですか?」

 オサムが訊くと


 「用意ができましたらいつでも。歓待致しますのでいらっしゃって下さい」

 オサムは皇帝を観察していたがどうやら嘘ではないらしい。


 「わかりました。短い時間ですが有意義な会話ができました。」

 「所要がありますゆえ、今日のところはこれで失礼してもよろしいでしょうか?」

 用は無いが、安心できたのでオサムは帰ることにした。


 「わざわざのご足労ありがとうございます。」

 ムールラント皇帝はオサムを見送った。


 オサムは宮殿近くの開けた場所でグリフォンを呼び、飛んで帰った。

 「どうやら敵意は無さそうだな、注意と監視だけはしておくか」オサムは独り言を呟いた。



 オサムは帝都の城に帰って平服に着替えた。


 「またお一人で、しかもムールラントの皇帝にお会いになりに行かれたとか」

 リムルと部屋でくつろぐロレーヌに言われた。


 「どんな国かだけは知っておきたくてね、単身で行けば警戒されないと思って」

 オサムはそう言うが

 「陛下はお一人で国を取れる方。100万の兵より恐ろしいのですよ?」

 「事前に相手方に連絡もなさらず突然来られても皇帝とて会わざるを得ません」

 ロレーヌに呆れたように言われ

 「そっかなぁ?悪い人には見えなかったけど、とりあえず確認だけね」

 オサムは他国との交渉にもいつも単身で行くのでそれが当たり前になっていた。


 しかし南方は西方に比較すると戦が起きないであろうため重要性が低い。

 大国ムールラントとも友好関係を結んでいる方が良かった。



 それに前後して、グリーシア帝国のアトロがタウールに攻め込み、ほぼ無血開城で征服した。

 60万の大群で攻め込まれたタウール王国は殆ど抵抗せずグリーシアに下った。


 それを知ったオサムは

 「次は北ミトラか南ミトラか、このまま南ミトラなら半年、北ミトラなら1年ってとこか。」

 

 しかしグリーシアは100万の兵を動員できる大国である。

 内乱で疲弊し、南北に別れた今のミトラは弱体化している。

 「アトロなら両国共征服してしまうだろうなぁ」

 オサムはロレーヌの膝を枕にしてソファーに寝転びながら言った。


 オサムの思惑通り、アトロはタウールの兵を吸収してそのまま南ミトラを襲った。

 弱っていた南ミトラは半年もせずにグリーシアに降伏した。


 残るのは北ミトラ王国だけである。その向こうは大河を越えてムールラント。

 さすがのグリーシア帝国でも手は出せない。

 北ミトラはライツェンより領土の狭い国である、簡単に落とせるだろう。


 そして、約3ヶ月を掛けてアトロは北ミトラ王国も征服した。

 これによりグリーシアの版図はムールラントより大きくなり、

 国境の河沿いに城塞や要塞を幾つか作り50万の兵を駐留させて征服事業は終わった。


 最初20カ国以上あった南方はジャグアのルアムール王国。実質的にはグレイスの王国だが。

 それにムールラント帝国とグリーシア帝国の3国にまとめられた。

 この3国の軍はそれぞれ100万を超える規模がある。暫くはこの3国のにらみ合いになるだろう。



 グレイスでも変化があった。エスカニアとグリオンが属国をやめて国土の譲渡を伝えてきた。

 正式にグレイス帝国から領土を預かる王になりたいというのだ。


 オサムは今のままでも問題は無いだろうと両国王に言ったのだが、

 グレイス帝国の属国の王とグレイス帝国から領土を与えられた王では立場が違う。

 オサムは両国王の意を汲み、一旦併合した後に旧グリオン及び旧エスカニアの領土をそのまま与えた。


 時を同じくしてライツェンとレギオーラが合併した。

 そしてクライツ帝国となり両国に持っていたオサムやクイード達の領土はグレイス帝国の隣接地にまとめられ割譲された。

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