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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
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第22話 流刑の島、そして最強の装備

 半年程してオサムは海の事を考えだした。

 南に広がる海の島々である。南から順に調査することにした


 念のため完全武装し、ジンを連れて調査を行った。

 海流が荒いため相当巨大で強力な船でなければ来ることは不可能なようだ。

 砂漠が整備され流刑に向かなくなったため、新たな流刑地として使えるか確認した。

 

 どうやら一番南の島は無人だが生きて行くことには事欠かないだけの水や食料、動物が居る。

 オサムはこの島を流刑地にすることに決めた。まず帰ってこれないだろう。


 そこから北へ順に調査したが、人間の痕跡があるのはグリーシアから最も近い島だけのようだ。

 もっとも、その島はグリーシアからも見えるほど近くにあるため、漁民が使っているだけだった。


 「よし、一番南の島を少し開拓しようか。まずは城壁を石造りで作ろう」

 オサムはそう言って石の取れそうな場所で剣を振るい巨大な石を切り出していった。

 ジンも同じように切り出していった。


 「このくらいの石が300もあれば大丈夫だろう」グレートドラゴンに運ばせた。


 周囲の樹木を斬り倒し焼き払い、地面に穴を掘り巨大な石を建てていった。


 「こんなもんかな?あとは小さな岩をこの中に置いとこう」

 と建材になりそうな岩をその建造物の中に運び入れた。

 その後フレイムナパームで完全に周囲を焼き払った。

 「これで人が住めるな」城壁の上に飛び乗り「うんうん」と頷き、ジンと帰った。


 城に到着した時は夕暮れだった。

 「ジン、ご苦労。帰ってゆったり過ごすと良いぞ」

 ジンを屋敷に帰し、オサムは城へ戻った。

 流石にもう城の中で迷うことはなかった。


 「順調順調」と言いながら剣や甲冑をクローゼットに仕舞い、隣の部屋に移動させたロレーヌに声を掛けた。

 「今日も一緒に食おうよ、ロレーヌ」

 ロレーヌは読んでいた本にしおりを挟んでテーブルに置き、子供達とオサムのリビングへやって来た。

 リムルも侍女と共に奥の部屋から子供達と出てきて

 

 「今日は新しい流刑地でしたか?見つかりました?」ソファに座った


 「そうだね、砂漠よりは暮らしやすいと思うけど、どうだろう?」

 オサムにもわからなかった。


 「それにしても陛下は民をいたわりますね、死罪も労役も無いと知った時は驚きました」

 ロレーヌは昔を思い出しながら話した。


 「うん、牢は作りたくないし、建設や開発は労働者に任せたほうが経済が回るしね」

 「だけど流刑はほんとに辛いと思うよ?何もかも自分達でしないといけないから」

 オサムは1年から永年の流刑まで作っていたが、帰れた者は何らかの職人になっていた。


 「さぁ、今日はカッシュの新作らしいぞ」オサムはこの時間を楽しみにしていた。



 流刑地が変更されたということで、まずは南の島に1500人程度が移された。

 砂漠はオサムとロウが尽力したため暮らしやすく刑罰に向かない土地になっていたためだ。


 連れてこられた流刑者達は頭を抱えた。中にはすがりつく者も居たがクイードは耳を貸さない。


 「お前達にはこの島を開発してもらう、資材は森や山にある。石切場への道は陛下が用意なされた」

 「刑務官は居らぬので好きにせよ、穀物の種も穀物も2年は困らぬ量が城壁内に蓄えられている。」

 「建築や開発に使える道具もすべて用意した。せいぜい楽に暮らせるように頭を使え。」

 クイードはそう言い残して帰った。


 オサムとジンが作った直径500メルト程の簡易城塞には既に倉庫や簡易な家屋が建てられていた。

 倉庫には十分な量の穀物が用意され、各種食物の種や苗木があった。


 オサムはそこを永年流刑者の島としていたのだが、有期流刑者にはその北西にある島を開拓していた。

 技術者を連れ、しっかりとした小さな城塞都市を作り2000人が住めるようにしている


 有期流刑者はその島に1000名程が連れてこられた。

 帰れる者の島と帰れぬ者の島は広大な海が遮っていた。


 グリオン、エスカニアとルアムールを除く帝国全土の犯罪者がこの程度である。

 他は罰金刑を受けた物も居るが比較的軽い罪だ。


 オサムは性善説信者でも性悪説信者でもない。ただ、罪には罰を、それだけだった。

 しかし効果はすぐに現れた。

 砂漠のオアシス地帯なら良いか。と軽く考えていたものが絶海の孤島への追放である。

 元々低かった帝国の犯罪率は更に低下した。


 

 やるべきことをやってしまうとまたオサムは「暇だ」だの「やることがない」だのと言って

 リムルやロレーヌを困らせた。

 「陛下がお暇ということは平和な証拠なのですよ」ロレーヌに言われてもやめない。


 「陛下はいつまでたっても昔のままなのですね」リムルはクスクス笑って聞いていた。


 「だってさぁ」オサムが言い終わる前に

 「私とリムル様がどのようなお話でも聞きますから」ロレーヌが言うと「そうですよ、陛下」リムルが続けた。


 オサムは

 「う~・・・・」と唸っただけで「まあいいや」とリムルの膝に頭を乗せてソファに寝転んだ。

 そして

 「うん、これだけでいいや」納得したようだった。

 その部分だけは、皇帝そして4人の父親だとは考えられない程オサムは成長してなかった。


 こういうときはオサムのあの癖が出る。

 早速西グレイス帝国に飛ぶと、城塞建造や道路網の整備等を確認しながら各地のダンジョンを廻った。

 事前に調査させていたが、ある程度頭に入れた後全てのダンジョンを好きなだけ攻略していった。

 

 見たことのないモンスターやダンジョンを全て何回も覚えるまで挑戦し続け、3週間後帰ってきた。



 「ただいまー」と言って帰ってくると入り口に甲冑と何振りかの剣が置いてあった。

 ハロルドを呼んで

 「これ何?」と尋ねると

 「ビーツ様がつい先日持ってこられました。あまりにも重いのでここに置くようにと陛下に申し使ったとか」


 オサムはその甲冑と剣を見ながら

 「そうそう、これを待ってたんだよ」と目を輝かせていた。


 シルバードラゴンやゴールドドラゴンの鱗や角を打ち伸ばした板で作り

 ダークオネスの染め粉で黒く染め、クシャナの籠手やシールドガーディアンの肩鎧や魔法石

 シールドドラゴンの鱗、ゴォスの胸当てを加工して内張りに使い

 ゴーレムの腕輪、オーガナイトの腕輪、デモンの指輪、フフストの革を加工して組み込み

 魔法石や他のレアアイテムをつぎ込んだ世界最強の甲冑だった。


 剣もシルバードラゴンとゴールドドラゴンの鱗と角をメインに使った大剣。

 あとは片手用の剣とサーベル。

 今のところオサム以外には扱えない代物だ。


 とりあえずオサムは一旦鎧を脱ぎに部屋へ帰り全てクローゼットにしまうとまた降りてきて

 「ハロルド、ちょっと侍従を2、3人呼んでくれないか?」鎧を着込みだした。

 侍従に手伝わせ、マジックバッグを腰に取り付け背中に大剣と楯、腰に片手剣を装備した。


 「うん、少し重いな」と背中の剣を軽々と抜いた。

 「これも少し重い。インペリアルセイヴァーレベル350か、さすがビーツとクライアン」

 そしてそのままグレートドラゴンでメラススの塔まで飛んでいってしまった。


 「魔法無しでどのくらい行けるかな?」オサムは降りていったがグレートドラゴンでさえ1撃だった。

 「へぇ・・・こりゃすごい、理由がもうわからん」

 30分でクリアしてしまった。1階層に付き10秒を切る早さである。

 「魔法無しでグレートドラゴンを1撃ならもうこれが限界だなぁ、1日50回か、休み無しで」

 オサムはワープポータルで地上へ戻り、城へ帰った。


 夕方クイード達を呼び、大剣を持たせてみた。

 「なんですか陛下、この重さは」とクイードでも片手で振るには苦労するようだ。

 「インペリアルセイヴァーの350なんて異常ですよ、陛下」


 「メラススの塔を魔法無しで30分だった」オサムが言うと

 「もうそれって降りるついでに斬ってますよね?」タキトスが笑った。


 「そうだなぁ、階段まで走るほうが時間を取ったな、晶石を集めずに降りた」

 とオサムは楽しげに話した。

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