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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
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第10話 夕食と征服

 オサムはロレーヌの体調が安定したので会食の場に連れ出すようになっていた。

 今回はロレーヌの懐妊祝いを兼ねて以前のエリトール家の時の宴席だった。

 

 グレイス王であるオサム、クイード、タキトス、ハンビィ、

 リムル、ロレーヌ、ミーシャ、ヴィオラ、ファシリア、エリス

 ケンテル、カッシュ、ユゼム、アリエル、ミランダそれにハロルドである。


 「今夜は祝いも兼ねてだが、皆の力があってこそグレイス王国が成り立っている。

  ここに集まってもらったのは、私が騎士位を頂いた時からの者とロレーヌ

  それと従者であったクイード、タキトス、ハンビィの夫人だ。」


 「お前達に支えられ、私は王となれた。感謝する。これからもよろしく頼むぞ皆」

 と言って食事が始まった。


 ヴィオラが嫁いだため、侍女長はエリスとなっている。まだ若いがかなりしっかりしてきた。

 ケンテルは馬係から厩舎長となり大勢の部下を指導している。


 カッシュは料理長、ユゼムは副料理長として40名程の料理人を鍛えている。

 アリエルとミランダは召使いから王妃付きの侍女となりエリスを手伝って城の雑事をこなしていた。

 ハロルドは家令となり6人の執事及び執事補佐と共に城の一切を仕切ってくれている。


 「こうやって揃うのは久しぶりですね、あの頃を思い出します」

 クイードが口火を切り

 「私どもが陛下や伯爵様達と食事など、身に余る光栄に感謝いたします」

 ハロルドが代表して皆の気持ちを述べた。


 「俺はかまわないよ、皆の顔を見ると落ち着くからね。月に1回位こうするかなぁ」

 と昔のオサムの話し方で話し出したが、誰も違和感を感じなかった。


 「普段は王様してなくちゃいけないけどさ、この顔ぶれは落ち着くよ、ほんと」

 「それで、皆今の仕事に不満とか無い?あるなら直接言ってくれればいいからね」


 「で、カッシュ。今日は下拵えも全部任せてきたのかな?」

 とオサムが訊くと

 「教え込んだ料理がきちんと出来ているか確かめるためにも全て任せました」

 と答えた。


 「そっか、それでこの味ならかなり鍛えられてるな、宴席でも各国の使者や国王が驚いてた」

 オサムに言われカッシュは

 「全て陛下に教わったものですが、私なりにアレンジを加えてみたりしております」

 そう言われ

 「そうだねぇ、俺の知らない料理も出てくるし毎日楽しみにしてるぞ」

 オサムはカッシュを褒めると皆が、その通りと言わんばかりに頷いた。

 

 ハンビィが

 「私の屋敷の料理人もカッシュの弟子ですから、食事の時間が楽しいです」

 と言うと

 「何故このようなお料理が作れるのですか?ライツェンのお城でもこんな御馳走は無かったですよ?」

 ミーシャが尋ねると

 

 カッシュは

 「陛下がレシピを限りなく教えてくれますので、各国の料理長にも負けない味を探求しております」

 と答えた。

 

 「手紙を持ってきただけの使者が1週間も帰らないこともあるもんなぁ、多分大陸一の料理人だと思うよ?カッシュ」

 

 オサムにそう言われてカッシュは嬉しくて更に腕を磨こうと誓った。


 「ハロルドもエリスも忙しいだろうけど頼んだよ。アリエルとミランダもリムルを頼む。」

 オサムが食べながら言うと

 「陛下、お口にものを入れながらお話なさらないほうが」とやんわりロレーヌに諭された。


 「ロレーヌもそういうところ、変わってないね」とオサムは笑った。

 

 タキトスが

 「変わらぬのは皆同じです。皆陛下の事が好きなのです」と皆の気持ちを代表した。


 その日の夕食は全員にとって楽しいひと時だった。



 しかしそれから1週間程してペガサスで一人の騎士がやって来た。

 グリーシアの向こう側、飛び地のグレイス王国の領土とした地の城代の使者だった。

 「偵察の者からの報告ですが、シャングールから膨大な兵が向かってきています。恐らく50万程」


 「戦を仕掛けてきたということか?」

 オサムは使者に尋ねると

 「恐らくあと1週間ほどで領土に入られます。途中の小国を攻め落としながら向かって来ています」

 使者は必死だった。


 「わかった、我々がなんとかしよう」と言って使者を一旦帰らせた。


 そしてクイードとタキトス、ハンビィを呼び出し

 「グリーシアの向こうの領土が攻められそうだ、俺は先に行っておく、5日程時間を置いて2名来い」

 「1名はこの国に残ってグレイス国を必ず守れ。2人と俺でシャングールを落とすことになるかもしれん」

 と言ってオサムはグレートドラゴンで飛んでいった。


 地上から見えないようにかなりの上空から見たが50万人は超えているようだった。

 更に東に飛ぶと城塞都市が滅ぼされていた。いくつか見たが恐らく全滅したのだろう人の気配はない。


 オサムは怒りを覚えたが、領土に入られる前の攻撃は控えた。

 城の守備兵は守りに徹するように言い付け門は固く閉じるよう命じた。


 

 それから5日が経つ頃クイードとハンビィがやって来た。

 高空から見下ろしていると、どうやら領土に入ったようだった。

 このまま1日進めば最初の城塞都市に当たる。


 「クイード、ハンビィ、奴らは幾つもの城塞を焼き払った殺人鬼達だ、遠慮はいらぬ、全滅させよ!」

 と言ってオサムは急降下して敵兵をブレスで焼き払った。

 

 ドラゴンを地上に降ろし、3方向から囲んでブレスを浴びせかけた。

 数千人が炭になって転がっていく。オサムはドラゴンから降りて上空で旋回させた。


 地上に立ち、ナイトメアに乗り換え混乱する敵軍を全て切り捨てていった。

 クイードとハンビィも同様に剣の一振りで数千人が切り倒された。

 ものの1時間も掛からず侵攻軍は一人残らず全滅した。

 

 「このままシャングールを攻めるぞ、城を落とす、国も落とす。二度とこんなことが出来ないように国を取る。わかったか?」

 オサムが言うと2人は

 「わかりました」といいグレートドラゴンに騎乗しシャングール帝国の帝都にドラゴンで降り立った。


 「クイード!ハンビィ!向かってくる敵は斬れ!俺は皇帝と話をしてくる」

 と言って歩いて皇宮に向かった。

 

 途中数百人が攻撃してきたが剣撃だけで全て切った


 「皇帝を出せ!」と叫ぶとまたぞろぞろと兵達が出てきたので全て斬った

 「皇帝を出せ!」更に叫び今度は皇宮を真っ二つに叩き斬った。

 「出さぬならこの国を滅ぼすぞ!」と叫ぶと

 皇帝がうろたえながら家臣に引きずられてやって来た。


 「私はこの国の大将軍である、皇帝陛下を連れてきた」とその将軍は言った

 「お前がシャングール皇帝か?」とオサムが言うと

 何も言わず頭をカクカク揺らすだけだった。


 「何故攻めてきた?」と訊くと

 将軍が「領土拡大のため、それで我が方の兵はどうなった?」と訊き返してきた。

 「30分も掛けず一人残らず殺した。信じられぬなら見に行けば良い」とオサムは答えた。


 「途中我が領土ではない都市国家が焼かれていたが?それがお前らの戦か?」

 オサムは怒りを抑えて問いただした。

 「それが我が帝国の戦のやり方なのでな」と言うので


 「クイード!ハンビィ!この城を焼き払え!」と命じた。

 途端に2人はグレートドラゴンに騎乗し兵が居そうな部分を焼き払っていった。


 「ではこれが俺の戦のやり方で良いのか?どうだ?」とオサムが言うと

 皇帝を持ち上げ「陛下、どうなさいますか?このままではこの国は滅びます」と将軍が言った


 「何が望みだ?」と皇帝が震えながら尋ねてきた。

 「この国を貰おう、確か禅譲と言う儀式が有ったな?それで良いが?」

 と皇帝に言うと

 「いきなり攻めてきてそれか」というので

 オサムは激昂し

 「攻めてきたのは貴様らの方だろうが!」と叫んだ


 「で、どうする?この国を灰にするか俺に譲るか、選べ。」

 「禅譲ならば生かしておいてやる。そうでなければ貴様も一緒に灰となれ!」

 オサムは怒りを爆発させた。

 

 皇帝は

 「お前などに譲る位ならこの国と共に灰になってやるわ!」と言ったので瞬間真っ二つに切り捨てた。

 強く振りすぎたので地割れが起きた。

 「民を思わぬ皇帝など死んでしまえ!」


 オサムは次に将軍を見て

 「どうする?」と訊くと後ろを向いて兵達に

 「皇帝に連なる者全て斬ってこい!全員だ!女子供も容赦するな!」

 と指示した。

 

 そして

 「降伏する。」と言った。


 「クイード!ハンビィ!もう良い、降りてこっちへ来い!」と呼んだ。


 暫くすると何百と言う数の死体が皇宮の庭に運び出されてきた。


 「皇帝一族、親戚、外戚、皇帝直属の文官全て斬った。」将軍は後ろを指差し

 「並べてある、ついてきてくれ」と歩き出した。


 「これで信用してもらえるか?お前はまだ民に手出しをしていない。

  恐らく民を手に掛けることは無いのだろう、というのが俺の見立てだが?」

 将軍はあの一瞬で何を捨て、何を残すかを決めたのだろう。


 「その通りだ、民とともに灰になることを選ぶような皇帝など要らぬ、なので斬った」

 オサムは正直な気持ちを話した。


 「それでどうする?お前がこの国の皇帝になるか?俺はそれでも構わんが。」

 将軍も自分の思いを正直に話した。


 「俺が皇帝になろう。しかし将軍よ、名はなんという?俺はアキバ・オサム・グレイスだ」

 それに将軍が答えて

 「ロウ・ウェンという」

 「ではロウ・ウェンにこの国を任せる。旧皇帝派は滅ぼせ。

  今よりシャングール帝国はグレイス王国の属国とする。いいな?ロウ」


 「期間を与えるのでこの国をまとめておいてくれ」

 「無用な内乱は避けたい、ロウよ、お前に敵対する勢力は有るか?」

 オサムが訊くと


 「北の辺境に2箇所合計で20万程、あとは北方に敵がいる。」とロウは答えた


 「騎馬民族か?地図があれば片付けてくるが?」オサムは簡単に言った。

 

 ロウは地図を持ってこさせて

 「この砦とこの砦が旧皇帝派の軍だ、あとは俺が掌握している。」

 「それで、北方の敵というのはどの辺りに?」とオサムが訊くと


 ロウが指を指して

 「恐らくこの一帯だろう、総戦力は30万程と考えている。」


 「オサムはわかった、3日くれ、全滅させてくる。すぐ戻る」

 と言ってクイードとハンビィを連れて北に向かった。


 「まずは騎馬民族の方から叩く、女子供に被害を出すなよ?」

 下を見ていると北から騎馬の大群が押し寄せてきていた。

 「丁度いい、まずはあの騎馬隊を全滅させるぞ!」と急降下した

 

 ドラゴンのブレスで先頭を焼き払い、ナイトメアに騎乗した。

 そしてクイードとハンビィを引き連れて騎馬軍団を少しだけ残し殲滅した。

 「お前達の王のところに連れていけ。」と言って向かわせた。


 「前の世界で匈奴とか言う奴らだな。」と言い、大きな簡易王宮の前で待っていた。


 「お前は誰だ?」と訊かれたので「アキバ・オサム・グレイスという。お前が王か?」

 

 「いかにも、ライル・カンだ、何故戦の邪魔をした?」と訊かれたので

 「戦が嫌いだからだ、あと何人兵が居る?」とオサムが言うと


 「20万は居るが?」とライル・カンが鼻で笑って答えた


 「俺は新しくシャングールの皇帝になった、戦を仕掛けることは許さん」

 オサムははっきりと敵対の意志を示した。


 「新しい皇帝?シャングールを滅ぼしたか?」と言われ

 「滅ぼした、そして俺が皇帝になった。俺はお前の敵か?」と問うた


 「それならば敵となるな」

 ライル・カンにそう言われたので

 「では戦おう。どちらかが全滅するまで。2日後この南にお前達の兵の死体が転がっている場所で、待っているぞ」

 と言ってグレートドラゴンで北から砦を目指した


 近づくと矢が飛んできたのでよくわかった。

 しかしオサムは一旦上空に上がり地図をよく見て正しいか確認した。


 間違いなかったので砦と城をを焼き払い兵を外に出した。

 オサム達はナイトメアに騎乗して10万の敵を30分程で片付け、城も跡形もなく破壊した。


 「次は、ナイトメアの足なら2時間程度か、このまま行くぞ、クイード、ハンビィ」

 と普通の馬では走れないような荒れ地を苦もなく駆けていった。


 「見えた、あれだな」と言い、まずは砦を真っ二つに切り崩した。


 兵がわらわらと出てきたので順に斬っていった。

 将軍らしき人物が見えたので止まって

 「俺はこの国の新皇帝となったアキバ・オサム・グレイスだ。お前が将軍か?」

 と訊くと


 「なんだと?皇帝陛下は?」と訊かれ

 「俺が斬った!」と言うと


 「貴様、たった3騎で10万の兵に勝てるとでも思ってるのか?」

 そう言われたので

 「試してみろ、何万人でも出してこい」と誘った。


 「バカモノめが!」と全軍を出してきたので


 オサム達3騎で全滅させた。城を壊し全てを焼き払った。


 「では、あの壁の上で休むか」と10mは有る壁に3人が飛び乗った。


 「あと1日半か。待つしか無いな」と言って3人は待っていた。



 約束の日になったので、例の平原上空でグレートドラゴンにのって待っていた。


 北の方から約20万の騎馬隊が来るのが見えたので暫く待つと

 馬や人が倒れているところで急に止まった。


 「さて、始めるぞ」と急降下し地上スレスレでナイトメアに乗り換えた。


 「約束通りやって来たな!ライル・カンの軍か!」

 と確認した。

 

 「いかにも!」と言われたので

 「では戦おう!」とオサムは斬り込んだ。

 瞬間に人や馬が吹き飛んだ。


 何千という矢が飛んでくるがくるがビーツの甲冑は矢を通さない。

 関係なくスキルで斬りまくった。

 クイードとハンビィも両側から切り崩していき1時間も掛からず残り100騎ほどになった。


 「ライル・カンはどこだ!」と言うと


 「ここだ、降伏する!」と言ったが


 「どちらかの全滅が条件だったはずだが?」

 と言ってオサムはライル・カンを残して全てを切り捨てた。


 グレートドラゴンを呼び、ライル・カンを持たせてシャングールの帝都に戻った。


 「ロウ・ウェンは居るか!」と呼ぶと走ってきた。


 「そいつは?」と訊かれ「ライル・カンだ、北方の敵」

 「20万以上の騎馬兵を全て斬り伏せてきた、あと北の要塞2つ20万も全滅させた。」

 「約束は守ったぞ?お前も守れ、今から俺は皇帝として即位する、準備を始めろ今日中だ!」


 ロウ・ウェンは儀式を始めた。

 「これが玉璽です、皇帝の証。

  アキバ・オサム・グレイス陛下をシャングールの新たな皇帝として迎えます。」

 と言われたが

 「国名はグレイス帝国とする、良いな?

  ロウ・ウェンを宰相及び大将軍に任じ、グレイス帝国の皇帝代理とし治世をしばらく任せる」


 「それと北方に攻め込み兵が残っていれば滅ぼせ、そして女子供をこの国に住まわせろ、いいな?」

 「決して女を辱めたり殺したりするな、子供も幼い者は生かしてこの国で育てさせろ」

 とロウ・ウェンに言った。


 「わかりました陛下、あとは1年以内に私が平定致します」

 ロウ・ウェンはかしこまって拝命した。


 「では、任せたぞ。1年の間に数回来ることになると思うが」

 と言ってオサム達は飛んでいった。

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