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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
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第7話 第一子

 その日いよいよリムルの出産のため、医師や治癒魔法士が城に呼び出された。

 魔法士や魔道士が治癒魔法を掛け続け、神聖魔法を使い精霊の力を借りて無事男児が生まれた。


 体力をすぐに回復させ、祝福の魔法を使いリムルも子も無事だった。


 オサムはずっとリムルの手を握っていたが、これだけの手を尽くしたので安産である。

 「よく頑張ったね、リムル」とオサムは声を掛けると

 

 「陛下は心配されすぎです、あれだけお慌てになられてましたがこの通り私も御子も元気ですよ」

 リムルは子を抱きながらもう座っていた。


 「いやぁ、そう言われると返す言葉が無いよ」オサムは安堵していた。

 「でも、しばらくは安静にね?わかった?」


 「はい、そのようにします。私が育ててもよろしいですか?」

 リムルが何やら訊いてきたが

 「うん、それが良いと思うけど、他の方法って有るのか?」

 オサムはロレーヌに尋ねた。


 「普通は王家の御子は乳母が育てます。陛下はご存じないようですが」

 ロレーヌは答えた。


 「あぁ、そういうことか。うん、育てるのはリムルに任せる、侍女も数人付けるし、好きにすればいいよ」


 「あとさ、ロレーヌ。こういう時って何か国家行事とかするのかな?わからないんだけど」

 オサムはそのあたりは全く知らなかった。


 「そうですね、全国民を上げて御子の誕生を祝う行事を行いますが、一月ほど後ですね。誕生の通知は国民に知らせておき、祝いの行事の日をお決めください」

 

 「ロレーヌはよく知ってるな、さすが子爵令嬢だね。じゃあハロルドに言っておく」

 ひとまず安心したオサムは「少しリビングで休むね」と言ってソファーに寝転んだ。


 

 そして御子のお披露目の式典の日が来た。

 生まれた子の名はグランパープルの守護者につけてもらった。

 ”スウェン・オルトール・グレイス”それは”神々に祝福されし者”と言う意味らしい。

 グランパープル聖国の守護者からも名以外に祝いの品も貰った。


 昼は城の庭に民衆が押し寄せ「グレイス陛下万歳」の合唱が鳴り響いた。

 夜になるとそこかしこで祝いの宴が開かれ、王都だけでなく全領土が祝賀のムードに包まれた。


 各国からも使者が訪れ、王自らやってくる国もあった。


 「迎賓館を作っててよかった」とオサムは胸を撫で下ろした。


 数日間続いた祝宴が終わる頃にはオサムはへとへとになっていた。



 「それにしても各国から届けられた祝いの品がものすごい数になってるな、ありがたいことだ」

 オサムはリムルにそう言うと

 「それだけ陛下が敬われているのでしょう。陛下の恩恵を受けていない国はほとんどございませんので」

 リムルは各地でのモンスター退治の事を言っていた。


 「グレイス王国は特別な国です。この子の未来は明るいかもしれませんね。聖なる名もいただきましたし。」

 とリムルは嬉しそうに微笑んでいた。


 

 その数日後クライアンから連絡があった。直接見て欲しいとのことだった。

 「陛下、研究の結果空に浮かぶ家、正確に言うと庭ですが、完成しました。

  今はまだ小さいものなのでそのうち屋敷を建てられるくらいの大きさに出来るかと。


 「それは面白いな、何の力を使った?」と訊くと

 「様々な浮遊系モンスターのレアアイテムを使いました。魔法石も」

 クライアンはオサムを外に連れ出して「あの上空に浮かぶのがそれです」と指差した。


 「素晴らしい、このまま研究を続けてくれ」と言ってオサムは城に戻った。


 オサムの部屋に入るとビーツに頼んでいた大剣が5振り届いていた。

 一振り一振り確認し、振ってみた。軽いものもあれば以前の大剣より重いものも有る。形状はほぼ同じだ。

 今度試してみるか、とオサムは台に立てかけていった。



 忙し時期が過ぎるとオサムは安心したのかまた冒険癖が出た。

 新しい剣を使いたいのだった。

 4本を剣専用のマジックバッグに入れ、1本は背中に挿してメラススの塔を目指した。

 まずはこれで。


 出来るだけ魔法は使わず剣本来の威力を見るつもりだった。

 1回目、硬いドラゴンの鱗をいとも簡単に斬る事ができた。鋭い剣である。

 2回目、付加スキルが多く、強大なモンスターも苦労せず倒せた。

 3回目、ゆらりと輝く刀身は神聖な力があるようだっった。アンデッドやカオス系のモンスターに強大なダメージを与えた。

 4回目、軽く振れ、よく切れる、付加スキルが随分と多い使いやすい剣だ。

 5回目、重い、斬ると言うより叩き割るような感じである。自分に合っている。

 全ての剣が以前の剣より強力であった。

 1日も掛からず5回200階層まで攻略出来た。以前の倍以上の攻撃力と考えればいい。

 アタックステータスも前の大剣の倍以上だった。

 

 オサムはこれらの剣を使い分けるため、ビーツに一度渡しヒルト部分の装飾を絵に書いて指示した。

 そしてクライアンには専用のマジックバッグを作るようにと申し付けた。



 「しかし死ねねぇな」

 オサムは書籍を書いたかった。各分野の専門書だ。

 もっと近代国家に近づけたかった。製鉄所や紡績、農業欲しい知識は多い。

 しかし40万以上あるHPを0にするには相当な戦いが必要だ。


 オサムは一度城へ戻り、リムルにしばらく留守にすると言ってからそのまままた塔へと向かった。

 以前使っていた古い甲冑と剣、HPが自動回復しない装備で向かった。

 回復薬を全く使用せず連戦するつもりだった。しかし簡単に負けるつもりもない。


 そして3週間、350回以上の塔攻略でやっとHPが0になった。


 

 オサムは起きた。やはりそこは元の自分の部屋だった。

 ネットで調べて実用的な書籍に殆どの貯金を使った。

 今回は4座席分に大量の荷物を入れて戻ってきた。


 突然リターンゾーンにトランク8個とオサムが現れた。

 まずは換金所に行き、グランパープルのバッグを渡し

 「半分は俺に、半分は国庫に」

 「バッグはまた他の者に取りにこさせる。」と言ってトランクを両手に持ち城へ帰っていった。


 「ただいま。留守にしてごめんね、どうしても欲しいものがあって」

 とリムルの部屋を覗いた。

 「おかえりなさいませ、この子に父親の顔を覚えさせてあげてくださいね」

 全く心配している様子はなかった。


 「もう終わらせて来られたのでしょう?」笑顔でリムルは柔らかく抱きついてきた。

 「世界を平和にするのは簡単では無いのですね、お疲れですか?」

 リムルは何も知らないので今回のことは隠しておこうとオサムは考えた。


 「そうだね、準備は進めてるけどそう簡単じゃないみたいだね」

 「ちょっと執務室に行ってくるよ」と言ってリムルを部屋に帰した。


 執務室の本棚に今回買ってきた大量の書籍を詰め込み、翻訳係を呼びつけた。

 「まだ新しい本があるので翻訳しておくように。わからぬ部分は遠慮なく言ってくれ」

 「翻訳者が足りないのであれば俺の名前で人を募れば良いので早速かかってもらえるか?」

 と指示した。


 次に侍女にハロルドを通してクイード達3人の内の誰かに直接換金所にマジックバッグを取りに行くようにと伝えさせた。



 暫くするとクイードがマジックバッグを持って執務室に入ってきた。

 「陛下、この3週間で何をしたんですか?換金所で聞きましたが8億7千万枚らしいですよ?」

 クイードが驚きを隠さずに訊いてきた。

 「ダンジョンに入っていた。3週間ずっと戦い続けたな」

 オサムは軽く流したがクイードが「レベルが70を超えてますね?HPも60万に近いです」と言うと


 「そうか?今となってはそう変わらないだろ?」

 「この世界をより平和にするために欲しいものがあった」とクイードに言った。


 「陛下の見ている先ですか、我々も努力しますのでいつでも申し付けてください。」

 クイードは言うが

 「今回のものは入手が難しくてな、自分で取ってくるしか無かったんだよ。頼みたいときは頼む」

 「ではこれらを」とクイードの目の前にトランクを出し

 「ビーツの鍛冶場に行って分解してもらってくれ。材料だ」

 そう言ってトランクを渡した。


 「わかりました、御用のときはいつでも申し付けください。」

 とクイーズは部屋を後にした。


 「ふぅ、なんとか乗り切ったな。」

 オサムは内心ヒヤヒヤしていた。

 リジェネリターンのペンダントを3つ付けていったが1つは砕けていた。

 砕けたペンダントは引き出しに入れ、自分の部屋へと戻っていった。

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